第238回 萩原健太のotonanoラジオ#120
2022/01/18 公開
矢舟テツローさんをゲストに迎えて(その1)
今週のオンエア曲
1.
矢舟テツロー
ろっかばいまいべいびい
『うた、ピアノ、ベース、ドラムス。』
2.
矢舟テツロー
ドレミ
『うた、ピアノ、ベース、ドラムス。』
3.
矢舟テツロー
会えない時はいつだって
『うた、ピアノ、ベース、ドラムス。』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#120
『Your Mind Is On Vacation~ピアノで弾き語るJAZZ系オリジナル・シンガー・ソングライター~』
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1. ユア・マインド・イズ・オン・ヴァケイション / モーズ・アリソン
ゲストに迎えた矢舟テツローさんはジャズ・ピアニスト。でも、往年のスタンダード・ナンバーをカヴァーして演奏するというありがちなやり方だけでなく、自ら新曲を作ってピアノで弾き語りをするシンガー・ソングライターでもあります。ということで今回のプレイリストは、そんな矢舟さんのイメージと二重映しになる古今の先達の楽曲を集めてみました。まずはクールでブルージーなジャズ・ピアノを弾きながら独特のスモーキーなヴォーカルも披露して人気を博した、矢舟さん直系の大先輩、モーズ・アリソンから。1950年代から活躍するアリソンが、1976年にリリースしたアルバムのタイトル・チューンです。 |
2. ユーアー・ザ・デンジャラス・タイプ / ボブ・ドロー
ボブ・ドローはマイルス・デイヴィスの『ソーサラー』にヴォーカリストで参加したこともある、これまた超クールなジャズ・ピアニスト、ソングライター。子供向けの人気テレビ教育番組『スクールハウス・ロック』の音楽を担当していたこともあり、米国では幅広い層から絶大な支持を得ている存在です。そんな彼が1956年にリリースした初アルバム『デヴィル・メイ・ケア』から本人作のこの曲を。 |
3. サンデー・アフタヌーン / ブロッサム・ディアリー
前曲のボブ・ドローと組んだ作品も多く残している女性ジャズ・ピアニスト/シンガー/ソングライターのブロッサム・ディアリー。独特のキュートな歌声で日本でも人気が高い彼女が1974年にリリースしたアルバム『ブロッサム・ディアリー・シングス』から、リー・サルツバーグ作詞、ブロッサム・ディアリー作曲のナンバーをセレクトしました。プロデュースはボブ・ドロー。 |
4. コートにすみれを / マット・デニス
マット・デニスはもともとソングライターとして1940年代に活動を開始した人。トミー・ドーシー楽団の専属スタッフとして若き日のフランク・シナトラなどに多くの名曲を提供してきました。「エンジェル・アイズ」「エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー」「ウィル・ユー・スティル・ビー・マイン」など生涯で1000曲以上の名曲を残しています。と同時に、自らのピアノ・トリオを率いて自作曲中心に歌い綴るパフォーマーとしての活動でも有名。ということで今回は、1953年のライヴ・アルバム『プレイズ・アンド・シングズ』から、フランク・シナトラやビリー・ホリデイ、ジョン・コルトレーンらが取り上げたことでも知られるこの名曲の自演ヴァージョンを。 |
5. リトル・ディッド・アイ・ドリーム / デイヴ・フリシュバーグ
この人もボブ・ドローとの共同作業などでおなじみのクールなピアニスト/シンガー/ソングライター。今回はトニー・ベネットが2004年の傑作アルバム『ジ・アート・オヴ・ロマンス』で取り上げていた曲を、作者デイヴ・フリシュバーグ自身が弾き語りしているライヴ・ヴァージョンで。ベネットが取り上げる1年前、2003年に出たアルバム『ドゥ・ユー・ミス・ニューヨーク? ライヴ・アット・ジャズ・アット・リンカーン・センター』に収められたパフォーマンスです。 |
6. G.I.ジャイヴ / ジョニー・マーサー
この人もマット・デニスと並ぶシンガー・ソングライターの元祖的存在。1930年代半ばから1950年代にかけて、1500曲以上の名曲を生み出しました。ヘンリー・マンシーニと組んだ「シャレード」「ムーン・リヴァー」「酒とバラの日々」などをはじめ、シャンソンに英語詞をつけた「枯葉」、ハロルド・アーレン作曲の「カム・レイン・オア・カム・シャイン」など、主に作詞家としていい仕事を残しているのだけれど、たまに曲も書き、自らシンガーとしても活動。本曲は1944年に出たマーサーの作詞作曲ナンバーです。 |
7. ウィー・アー・イン・ラヴ / ハリー・コニック・ジュニア
1980年代に颯爽とシーンに登場し、往年のフランク・シナトラのようなイメージでごきげんなビッグ・バンド・ジャズを聞かせたハリー・コニック・ジュニア。日本でもテレビCMに出演するなど、大いに話題を巻き起こしましたが。そんな彼が1990年にリリースしたアルバムのタイトル・チューンをどうぞ。もちろん本人の作詞作曲ナンバーです。 |
8. ワン・ブリック・アット・ア・タイム / サイ・コールマン
ミュージカルや映画音楽も多数手がけ、トニー賞を5回、エミー賞を3回、グラミー賞も2回受賞している名ソングライター。ジャズ・ピアニストとしてもなかなかの腕前で、多くのアルバムを残しているのだけれど、たまーに歌も披露。こちらも肩の力が抜けたいい感じです。というわけで、彼が手がけたミュージカル『バーナム』を自身が率いるピアノ・トリオ編成でセルフ・カヴァーした1980年のアルバムから1曲。 |
9. アイヴ・チェンジド・マイ・アドレス / ダイアナ・クラール
往年のナット・キング・コール・トリオあたりに代表されるピアノ弾き語りジャズの味わいを見事に現代へと受け継ぐダイアナ・クラール。彼女が2004年にリリースしたアルバム『ザ・ガール・イン・ジ・アザー・ルーム』から、その前年に結婚したお相手、エルヴィス・コステロと共作したナンバーを。 |
10. ノーバディーズ・フール / ベン・シドラン
モーズ・アリソンの味わいを継承する最強の存在といえばこの人、ベン・シドラン。彼が1977年にリリースしたアルバム『ザ・ドクター・イズ・イン』から、もう、真っ向からモーズ・アリソンしてる曲を聞いて下さい。ごきげんにクール! |
11. アイ・ネヴァー・トーク・トゥ・ストレンジャーズ / トム・ウェイツ
そしてこの人、トム・ウェイツ。1977年のアルバム『異国の出来事』からベット・ミドラーとのデュエットによる必殺のオリジナル・ジャズ・バラードです。もちろんピアノはトム・ウェイツ自身。 |
12. ロッキン・チェア / ホーギー・カーマイケル
ラストはプロデューサーである小西康陽さんが矢舟テツローさんのイメージを重ねたというホーギー・カーマイケルの歌声で締めましょう。1920年代から、「スターダスト」「ジョージア・オン・マイ・マインド」「レイジー・リヴァー」「ザ・ニアネス・オヴ・ユー」「スカイラーク」「メンフィス・イン・ジューン」など、それこそ無数の名曲を残してきたソングライターであり、俳優でもあり、シンガーでもあるカーマイケルさん。そんな彼が1957年にリリースした自作曲の自演集『ホーギー・シングス・カーマイケル』から、近年、エリック・クラプトンもカヴァーしていたこの名曲を。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第237回 萩原健太のotonanoラジオ#119
2022/01/11 公開
金子隆博さんをゲストに迎えて(その2)
今週のオンエア曲
1.
ホワット・イズ・モダン?(丈のテーマ)
『NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」オリジナル・サウンドトラック ジャズ・コレクション』
2.
カムカムエヴリバディのテーマ feat. 渡辺貞夫&BIG HORNS BEE
『NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」オリジナル・サウンドトラック ジャズ・コレクション』
3.
るいのテーマ feat. 渡辺貞夫&BIG HORNS BEE
『NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」オリジナル・サウンドトラック ジャズ・コレクション』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#119
『The Sidewinder~カムカム・ハード・バップ名曲集[るいの時代編]~』
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1. ザ・サイドワインダー / リー・モーガン
先週に引き続きフラッシュ金子こと金子隆博、キンちゃんを迎えた「otonanoラジオ」。今週もキンちゃんが手がけた朝ドラ『カムカムエヴリバディ』の劇伴音楽をめぐる話で大いに盛り上がりました。先週は朝ドラのヒロイン第一世代、「安子」の時代のスウィング・ジャズに特化したプレイリストを作りましたが。今週はその娘さん、「るい」の時代のハード・バップの名曲群をお届けしましょう。まずは1963年、リー・モーガン(トランペット)、ジョー・ヘンダーソン(テナー・サックス)、バリー・ハリス(ピアノ)、ボブ・クランショウ(ベース)、ビリー・ヒギンズ(ドラム)という顔ぶれで録音された必殺のナンバーから。“ジャズ・ロック”あるいは“ソウル・ジャズ”路線の誕生を告げる重要な1曲でした。 |
2. クール・ストラッティン / ソニー・クラーク
ソニー・クラーク(ピアノ)、アート・ファーマー(トランペット)、ジャッキー・マクリーン(as)、ポール・チェンバース(ベース)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)という顔ぶれで1958年に録音されたハード・バップの名盤のタイトル・トラック。クールなジャケット・デザインも含め、日本で特に人気が高いヒット作です。1950年代ニューヨークのストリートの息吹が横溢してます。 |
3. モーニン / アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
親分アート・ブレイキー(ドラム)の下、リー・モーガン(トランペット)、ベニー・ゴルソン(テナー・サックス)、ボビー・ティモンズ(ピアノ)、ジミー・メリット(ベース)という顔ぶれが勢揃いした大人気グループの代表作。ピアノのボビー・ティモンズが作ったゴスペルライクな超名曲です。ちなみに、このタイトルは朝を表すモーニング(morning)ではなく、黒人教会で現世の辛さを嘆く(moaning)ことを意味してます。 |
4. リカード・ボサ・ノヴァ / ハンク・モブレー
ハンク・モブレー(テナー・サックス)、リー・モーガン(トランペット)、ハロルド・メイバーンJr.(ピアノ)、ラリー・リドレー(ベース)、ビリー・ヒギンズ(ドラム)で1965年に録音された人気曲。1959年にブラジルのキーボード奏者、ジャルマ・ヘェヘイラが「リカード」というタイトルで作曲したものを、モブレーがファンキーにアレンジして聞かせます。 |
5. チトリンス・コン・カーネ / ケニー・バレル
ケニー・バレル(g)、スタンリー・タレンタイン(テナー・サックス)、メジャー・ホリーJr.(ベース)、ビル・イングリッシュ(ドラム)、レイ・バレット(コンガ)というラインアップで1963年に録音されたもの。タレンタインの土臭いブルース感覚と、バレルの都会的なブルース感覚とが対比を見せつつ火花を散らす名演です。 |
6. ブルー・ボッサ / ジョー・ヘンダーソン
羽生結弦が演技の音楽として使ったことで一躍人気曲となったゲイリー・ムーアの「パリの散歩道」の元歌。1963年にジョー・ヘンダーソン(テナー・サックス)、ケニー・ドーハム(ピアノ)、マッコイ・タイナー(ピアノ)、ブッチ・ウォーレン(ベース)、ピート・ラロカ(ドラム)という顔ぶれで録音された。作者はトランペットのドーハムです。 |
7. ソング・フォー・マイ・ファーザー / ホレス・シルヴァー
ホレス・シルヴァー(ピアノ)、カーメル・ジョーンズ(トランペット)、ジョー・ヘンダーソン(テナー・サックス)、テディ・スミス(ベース)、ロジャー・ハンフリーズ(ドラム)によって1964年に録音された代表曲。当時、ブラジルの新進ピアニスト、セルジオ・メンデスと出会い刺激を受けたホレル・シルヴァーが、メンデスに教えてもらったボサノヴァのグルーヴに影響されながら書き下ろしたファンキーな1曲です。スティーリー・ダンがイントロのフレーズをパクったことでもおなじみ。 |
8. ファイヴ・スポット・アフター・ダーク / カーティス・フラー
1959年、カーティス・フラー(トロンボーン)、ベニ・ゴルソン(テナー・サックス)、トミー・フラナガン(ピアノ)、ジミー・ギャリソン(ベース)、アル・ヘアウッド(ドラム)によって録音された名曲。ジャズ・メッセンジャーズの重要メンバーでもあったサックスのベニー・ゴルソンがたくさん残した傑作曲のひとつです。 |
9. ウォーターメロン・マン / ハービー・ハンコック
ハービー・ハンコック(ピアノ)の出世作。フレディ・ハバード(トランペット)、デクスター・ゴードン(テナー・サックス)、ブッチ・ウォーレン(ベース)、ビリー・ヒギンズ(ドラム)を率いて1962年に録音。幼いころ、故郷のシカゴで聞いたスイカ売りの声をイメージしつつ書き上げたというグルーヴィな傑作です。 |
10. ダット・デア / キャノンボール・アダレイ
前出「モーニン」の作者であるボビー・ティモンズが作ったさらなる名曲。キャノンボール・アダレイ(アルト・サックス)、ナット・アダレイ(コルネット)、ティモンズ(ピアノ)、サム・ジョーンズ(ベース)、ルイ・ヘイズ(ドラム)というクインテットで1960年に録音されました。 |
11. アリゲイター・ブガルー / ルー・ドナルドソン
日本でも当時、GS(グループ・サウンズ)がよくカヴァーしていた1967年のヒット曲。ルー・ドナルドソン(アルト・サックス)、メルヴィン・ラスティー(コルネット)、ジョージ・ベンソン(ギター)、ロニー・スミス(オルガン)、レオ・モリス(ドラム)によるジャズ・ロックの名演です。 |
12. ジェリコの戦い / グラント・グリーン
旧約聖書のヨシュア記に基づいて19世紀前半に生まれたと言われる黒人霊歌。奴隷解放への思いが託された名曲ですが、それをグラント・グリーン(ギター)、ハービー・ハンコック(ピアノ)、ブッチ・ウォーレン(ベース)、ビリー・ヒギンズ(ドラム)、ガーヴィン・マッソー(パーカッション)という顔ぶれで1962年に録音。かつて日本のジャズ喫茶でも大ヒットした作品です。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第236回 萩原健太のotonanoラジオ#118
2022/01/04 公開
金子隆博さんをゲストに迎えて(その1)
今週のオンエア曲
1.
オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート
『NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」オリジナル・サウンドトラック ジャズ・コレクション』
2.
二人でお茶を feat. 北村英治&BIG HORNS BEE
『NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」オリジナル・サウンドトラック ジャズ・コレクション』
3.
笑顔のままで(杵太郎のダンス)
『NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」オリジナル・サウンドトラック ジャズ・コレクション』
4.
ビッグさんのカムカム英語 みんな来いジャズ
『NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」オリジナル・サウンドトラック ジャズ・コレクション』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#118
『On The Sunny Side Of The Street~カムカム・スウィング・ジャズ集~』
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1. 明るい表通りで / ルイ・アームストロング
フラッシュ金子こと金子隆博さんをお招きした新春一発目の「otonanoラジオ」、いかがでしたでしょうか。そんなキンちゃんが劇中音楽を担当している朝ドラ『カムカムエヴリバディ』のサントラ盤にあたる2枚組ジャズ・コレクション編の話題で大いに盛り上がりましたが。そのサントラのディスク1には戦前・戦後のスウィング・ジャズ系ナンバーのカヴァーがたくさん収録されているので、今週のプレイリストはその元になっているヴァージョン集的な、そんな感じでお届け。まずはドラマのコンセプトとも言うべき重要な曲「明るい表通りで(On the Sunny Side of the Street)」から。1930年にブロードウェイ・ミュージカル『ルー・レスリーのインターナショナル・レビュー』のために作られた名曲です。多くのジャズ・ミュージシャンが取り上げているけれど、やはり決定版はサッチモの愛称でもおなじみ、ルイ・アームストロングによるヴァージョン。サッチモも何度かこの曲をレコーディングしていますが、今回は1934年の初期ヴァージョンで。 |
2. ザッツ・ア・プレンティ / アルバート・ニコラス
1914年に作られたディキシーランド・ジャズの定番曲。もともとは作者であるルー・ポラックがソロ・ピアノで演奏するラグタイム曲として作ったものでしたが、やがてバンド・アレンジ版へと発展し、スタンダード・ナンバーとなりました。今回は1910年代から活躍するニュー・オーリンズ出身のクラリネット奏者、アルバート・ニコラスの演奏で。 |
3. 二人でお茶を / ドリス・デイ
「二人でお茶を(Tea for Two)」は1924年のミュージカル『ノー・ノー・ナネット』のための曲。これまた無数のアーティストが取り上げている名スタンダードですが、今回はこのミュージカルが1950年に映画化された際、主演したドリス・デイの歌で。 |
4. ウルヴァーリン・ブルース / ジェリー・ロール・モートン
ニューオーリンズの伝説的ピアニスト、ジェリー・ロール・モートンが1923年に録音した自作曲。 |
5. タイガー・ラグ / ミルス・ブラザース
1917年にオリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンドが録音して以来、もっとも多くのカヴァー・ヴァージョンが存在するジャズ・ナンバーとして知られるスタンダード曲。1931年にハリー・ダコスタが歌詞を付け、ミルス・ブラザーズが歌った本ヴァージョンがミリオン・セラーを記録しました。 |
6. ローズ・ルーム / ベニー・グッドマン・セクステット
1917年の作品。作者、アート・ヒックマンがレギュラーで出演していたセイント・フランシス・ホテル内の“ローズ・ルーム”という部屋にちなんで作られた名曲です。今回はジャズ・ギターの始祖のひとり、チャーリー・クリスチャンを含むベニー・グッドマン・セクステットによる1939年の演奏で。 |
7. ジャスト・ア・クローサー・ウォーク・ウィズ・ジー / マヘリア・ジャクソン
聖書の『コリント人への第二の手紙』や『ヤコブの手紙』に基づくトラディショナル・ゴスペル。ニューオーリンズの伝統的なお葬式でよく演奏される曲です。ここではゴスペルの女王、マヘリア・ジャクソンの歌声で。 |
8. インディアナ / ボブ・ウィルズ&ヒズ・テキサス・プレイボーイズ
1917年に書かれた名曲。実際の米国インディアナ州の州歌は「オン・ザ・バンクス・オヴ・ザ・ワバッシュ、ファー・アウェイ」という曲なのだけれど、その曲よりもインディアナ州で愛されているという事実上の州歌だ。今回はジャズではなく、ジャズの影響を色濃くたたえた“ウェスタン・スウィング”と呼ばれるごきげんなカントリー・ミュージックの代表的アーティスト、ボブ・ウィルズのヴァージョンでお届け。 |
9. 黒い瞳 / ジャック・ティーガーデン
「黒い瞳(Dark Eyes)」はもともと19世紀生まれの作品。ロシアの詩人、イェウヘーン・フレビーンカが発表した詩をもとに、様々な音楽家が手を加え、そのつど形を変えながら現在のような曲へと発展したものです。テキサス出身のトロンボーン奏者、ジャック・ティーガーデンが1941年にレコーディングしたヴァージョンです。 |
10. 聖者の行進 / ルイ・アームストロング
「聖者の行進(When The Saints Go Marching In)」は世界でもっとも有名なディキシーランド・ジャズ・ナンバー。19世紀終わりから20世紀にかけて生まれたトラディショナルな黒人霊歌です。これも無数のアーティストが取り上げている曲ですが、今回は「明るい表通りで」同様、ルイ・アームストロングの歌声で。1938年の演奏です。 |
11. バッジャーズ・パーティ / ジーン・クルーパ
ジャズと並んでドラマの重要な縦軸となっているのがラジオ番組『英語会話(別名“カムカム英語”)』。そのテーマ・ソングはおなじみの童謡「証城寺の狸囃子」に番組講師だった平川唯一が独自の英語詞を乗せたものでした。実はこの曲、海外でもけっこう有名で、アーサ・キットによる英語・日本語チャンポンの奇天烈なヴァージョンが1955年にヒットしたりもしてますが、それに先駆けて、1952年、ドラマーのジーン・クルーパがこのタイトルでインスト曲としてカヴァーしてました。 |
12. 明るい表通りで / 北村英治&テディ・ウィルソン
で、もう一回、番組の最重要曲を。サントラ盤にも参加していた日本ジャズ界のレジェンド、北村英治さんが、ルイ・アームストロング、レナ・ホーン、ベニー・グッドマン、ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルドらとの活動で知られる伝説的ピアニスト、テディ・ウィルソンとの共演でリリースした1970年のアルバム『君去りし後(After You've Gone)』からのヴァージョンでどうぞ。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第235回 萩原健太のotonanoラジオ#117
2021/12/28 公開
赤坂泰彦さんをゲストに迎えて(その2)
今週のオンエア曲
1.
PUFFY
アジアの純真
『ザ・べスト・オブ・クライマックス[50 J-POP TRACKS]'95-'99』
2.
玉置浩二
田園
『ザ・べスト・オブ・クライマックス[50 J-POP TRACKS]'95-'99』
3.
大滝詠一
幸せな結末
『ザ・べスト・オブ・クライマックス[50 J-POP TRACKS]'95-'99』
4.
モーニング娘。
LOVEマシーン
『ザ・べスト・オブ・クライマックス[50 J-POP TRACKS]'95-'99』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#117
『極私的クライマックス[J-POP TRACKS]'95-'99』
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1. 双子座グラフィティ / キリンジ
先週に引き続き、赤坂泰彦さんとともに1990年代のJ-POP話で盛り上がった今週の『otonanoラジオ』。今回は90年代後半のビッグ・ヒット満載のコンピレーション『ザ・ベスト・オブ・クライマックス(50 J-POP Tracks)'95-'99』からの選曲でお届けしましたが、こちらのプレイリストでは先週と同趣向で、1990年代後半、ぼくが個人的に印象深く感じている曲をまたまた身勝手に選んで並べてみました。この時期もぼくはなんだかんだいろいろプロデュースだアレンジだと音楽作りに勤しんでいたので、ちょっとその辺の思い出も含めて数曲ぼくが関わった当時の音源もセレクトさせてもらいました。お許しあれ。てことで、まずは1曲目。1990年代後半というとこの人たちの登場の衝撃を抜きには語れません。キリンジ。また堀込兄弟ふたりによるバンドだった時期、1998年8月26日にリリースされた記念すべきデビュー・シングルです。 |
2. YES -free flower- / My Little Lover
続いても現在とは違うフォーマットで活動していたバンドの曲。akko、小林武史、藤井謙二の3人体制だった初期マイラバが1995年8月21日にリリースしたサード・シングル。スマッシング・パンプキンズに影響された音像に行間だらけの日本人ならではの歌詞を乗せた傑作だなぁと思って愛聴しておりました。 |
3. 彼女と私の事情 / 相川七瀬
日本のデズモンド・チャイルド、織田哲郎が日本のジョーン・ジェット、相川七瀬に提供した痛快作。1998年2月4日リリースのシングル・チューンです。 |
4. プライマル / Original Love
それまでバンド・フォーマットで活動してきたオリジナル・ラブが田島貴男のソロ・ユニットへと変わって最初にリリースされたシングル。1996年2月5日発売。テレビ・ドラマの主題歌だったかな。 |
5. Hour Our Hour / Cymbals
土岐麻子さんが在籍していたことでおなじみのシンバルズ。1998年12月15日にリリースされたセカンド・ミニ・アルバム『Missile & Chocolate』からのナンバーです。おしゃれさと乱暴さが絶妙に共存していて、大好きでした。 |
6. Heaven’s Kitchen/ BONNIE PINK
1997年4月18日リリース。トーレ・ヨハンソンのプロデュースの下、スウェーデンのタンバリン・スタジオで録音されたナンバーです。ボニーくんとはCSの番組の司会を一緒にやったりしてました。懐かしい。 |
7. 証言(feat. Rino, You the Rock, G.K. Maryan, Zeebra, Twigy, Gama, Dev-large)/ LAMP EYE
1995年にアナログ・シングルとしてリリースされた後、翌年CD化もされた必殺曲。日本のヒップホップ・シーンもここまできたかと興奮したことをよく覚えてます。 |
8. 金曜日のウソつき / 渡辺満里奈
ここから4曲ほど自画自賛コーナー(笑)。ぼくが制作に関わった曲を聞いてください。まずは1996年3月21日、大瀧詠一プロデュースによってリリースされた満里奈さんのミニ・アルバム『Ring-a-Bell』からのナンバー。ぼくが作曲・アレンジさせてもらった1曲です。 |
9. Fat Mama / 山崎まさよし
1997年5月21日リリースのアルバム『HOME』。アルバムの半分くらいプロデュース、アレンジを手伝いました。この人の柔軟な才能にもぶっとんだものです。そこからごきげんにファンキーなこの曲を。 |
10. 間違えないでおくんなさい / 国本武春
以前、やはりぼくがプロデュースした「浪曲惑星」ってやつを選曲させてもらったことがある故・国本武春さんの曲をもうひとつ。ぼくがプロデュースとアレンジを手がけました。『ポンキッキーズ』かなんかで流れた曲だと記憶してますが、そっちの“子供編”がストリーミングで見当たらないので、1995年に出たアルバム『国本づくし』に収められていた“大人編”のほうで。歌詞がだいぶ違ってます。 |
11. くり返す/フリーボ
とても素敵なシンガー・ソングライター、吉田奈邦子をフロントに据えたバンド、フリーボが1998年9月6日にリリースしたサード・アルバム『スモーキング・ブルース』より。すんません、これもぼくのプロデュースです。キーボードにDr.kyOnを迎えました。 |
12. Song For James / 山弦
そのDr.kyOnとダージリンなるユニットも組んでいる佐橋佳幸が、小倉博和とタッグを組んだギター・デュオ、山弦のデビューも1990年代後半の印象的な出来事でした。てことで、今回のプレイリスト、ラストは1998年8月5日リリースの山弦のファースト・アルバム『JOY RIDE』からのこの曲で。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第234回 萩原健太のotonanoラジオ#116
2021/12/21 公開
赤坂泰彦さんをゲストに迎えて(その1)
今週のオンエア曲
1.
稲垣潤一
クリスマスキャロルの頃には
『ザ・べスト・オブ・クライマックス[50 J-POP TRACKS]'90-'94』
2.
米米CLUB
君がいるだけで
『ザ・べスト・オブ・クライマックス[50 J-POP TRACKS]'90-'94』
3.
小田和正
ラブ・ストーリーは突然に
『ザ・べスト・オブ・クライマックス[50 J-POP TRACKS]'90-'94』
4.
ユニコーン
すばらしい日々
『ザ・べスト・オブ・クライマックス[50 J-POP TRACKS]'90-'94』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#116
『極私的クライマックス[J-POP TRACKS]'90-'94』
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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。
1. 恋のT.K.O./ すかんち
赤坂泰彦さんとともに1990年代前半のJ-POP話で盛り上がった今週の『otonanoラジオ』。番組のほうではごきげんなコンピレーション『ザ・ベスト・オブ・クライマックス(50 J-POP Tracks)'90-'94』の中から選曲しながら盛り上がりましたが。こちらのプレイリストでは、ぼくが1990年代前半、個人的によく聞いていた曲を身勝手に選んで並べてみました。ビッグ・ヒットだらけの『ザ・ベスト・オブ・クライマックス』とは全然違う、まあ、シングル・ヒット曲もあれば、みんな忘れちゃってるかもしれないアルバムからのナンバーもあるというテキトーなセレクションですが、そこんとこはお許しいただいて。お楽しみください。まずは1990年5月21日にリリースされた、すかんちのメジャー・デビュー・シングルから! |
2. ALWAYS / ロッテンハッツ
のちにヒックスヴィルとグレート3へと発展していくことになる6人組、ロッテンハッツ。 彼らが1992年9月21日、メジャーからリリースした初アルバム『Sunshine』からのナンバーです。 |
3. ひこうき / フィッシュマンズ
レゲエ、ロックステディ、ダブ、エレクトロニカ、ファンク、ヒップホップなど多彩な音楽性をひょうひょうと融合し、1990年代の日本のロック・シーンに大きな刺激を与えてくれたフィッシュマンズ。彼らが1991年4月21日にリリースしたデビュー・シングルです。 |
4. 恋する男 / 佐野元春
1980年にデビューを飾った佐野元春は1990年代に入ってからも絶好調。『ザ・ベスト・オブ・クライマックス』には「約束の橋」が入っているけれど、こちらでは1990年11月9日リリースのオリジナル・アルバム7作目『Time Out!』から、この曲を。 |
5. ばかばっか / SUPER JUNKY MONKEY
1990年代に出くわした日本のバンドで、個人的にいちばん衝撃的だったのがこの女の子バンド。むちゃくちゃかっこよかったなー。1994年10月21日にリリースされたセカンド・アルバム、メジャーからのリリースとしてはファーストにあたる『SCREW UP』より。 |
6. 忘れられた Big Wave / サザンオールスターズ
何の説明もいらないこの人たち。もちろん1990年代も好調に駆け抜けました。1990年9月1日に、サザンオールスターズ&オールスターズ名義でリリースされた映画『稲村ジェーン』のサウンドトラック・アルバムから、必殺のアカペラ・ナンバーを。 |
7. Journey To Your Heart / BOX
杉真理と松尾清憲をツー・トップに結成されたパワー・ポップ・バンド、BOXのセカンド・アルバム、1990年3月21日リリースの『JOURNEY TO YOUR HEART』より。オープニングを飾っていた、まあ、その、パイロットの丸パクリ曲というか、何というか…(笑)。大好きでいっつも聞いてました。 |
8. 純愛ラプソディ / 竹内まりや
1990年代のまりやさんはテレビ・ドラマの主題歌をたくさん手がけていた印象があるのだけれど。1994年5月10日リリースのこの曲もドラマ主題歌でした。達郎さんのさりげないアレンジも胸にきます。 |
9. 君がいた夏 / Mr.Children
1990年代を代表するビッグ・サクセスを手にしたバンドかな。本格的ブレイクは1993年になってからだけど、今日はその前年、1992年8月21日にリリースされたデビュー・シングルを。彼らの初々しさが楽しめて、大好きでした。 |
10. 風に吹かれて / 森高千里
森高さんの1990年代の曲の中では、個人的には筒美京平さんを作曲に迎えた1991年の「八月の恋」が大好きなのだけれど。これは以前、確か筒美さん特集のときに取り上げたと思うので、今日は違う曲を。1993年10月11日リリースのフォーク・ロック調のナンバーです。 |
11. さよならいとしの Baby Blues / 鈴木雅之
マーチンさんも1990年代、名唱をたくさん残しているけれど、ぼくがいちばん好きなのは1992年9月1日リリースのオリジナル・アルバム5作目『FAIR AFFAIR』に収められていたこの曲。安藤秀樹・作詞作曲の名曲です。 |
12. オイオイオイ マドロスさん / 米米CLUB
で、最後は、すんません、ぼくがプロデュースした米米CLUBのおバカな曲をひとつ。1991年4月25日リリースのアルバム『米米CLUB』からのマドロスものです。番組でかかった国民的特大ヒット「君がいるだけで」を出す直前のひと暴れ。ぼくがウクレレ弾いてます(笑)。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第233回 萩原健太のotonanoラジオ#115
2021/12/14 公開
直枝政広さん(カーネーション)をゲストに迎えて(その2)
今週のオンエア曲
1.
カーネーション
マーキュロクロムと卵の泡
『TURNTABLE OVERTURE』
2.
カーネーション
霧のスーヴェニール
『TURNTABLE OVERTURE』
3.
カーネーション
Blue Black
『TURNTABLE OVERTURE』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#115
『Songbook~極私的カーネーションBEST!since 1994』
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1. サマー・デイズ
カーネーションの直枝さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』2週目。今回のプレイリストは、カーネーションの過去のオリジナル・アルバム群からぼくの好きな曲をずらり並べる極私的カーネーション・ベストです。といっても作品の多いベテラン・バンドなもんで。今回はちょっと方向転換があった1994年の傑作アルバム『EDO RIVER』以降のアルバムから、基本的には1作から1曲ずつ選んで年代順に並べてみました。まずはそのカーネーションにとって5作目にあたるオリジナル・アルバム『EDO RIVER』から。このアルバムに限らず、カーネーションのアルバムには名曲が多いもんで、どれ選ぶか悩みまくりましたが、まずはこの曲、季節外れの(笑)「サマー・デイズ」をどうぞ。 |
2. 未来の恋人たち
1995年のアルバム『a Beautiful Day』より。 |
3. Garden City Life
1996年の『GIRL FRIEND ARMY』より。 |
4. Hello,Hello
1997年の『booby』より。 |
5. Strange Days
1998年にベスト・アルバム『Mellow My Mind』をはさんで、翌1999年にリリースされた『Parakeet & Ghost』より。 |
6. REAL MAN
5人編成による最後のオリジナル・アルバム、2000年の『LOVE SCULPTURE』より。 |
7. 春の風が吹き荒れているよ
2000年の新ベスト『SPY FOR THE BAND (SINGLES+more) 』と、2002年のライヴ・アルバム『505 〜Five Oh! Five〜』を間に挟んで、2004年、レコード会社を移籍し、心機一転、3人組としてリリースしたオリジナル・アルバム『LIVING / LOVING』より、これまた季節外れの(笑)1曲を。 |
8. ANGEL
2004年に2枚組ベスト『CARNATION IS THE GREAT R&R BAND! 〜C-SIDE OF CARNATION〜』をリリースした後、2005年に発表したアルバム『SUPER ZOO!』より。 |
9. Songbook
カーネーションは2005年に『RUNNIN' WILD LIVE』、2007年に『The Sounds of ROCK LOVE』と、2作のライヴ・アルバムを発表。さらに、その間の2006年には『WILD FANTASY』という傑作スタジオ・アルバムをリリースしているのだけれど、これがなぜかストリーミングされていなかったので、今回は一個飛ばして。2009年、現在へと連なる2人編成になって制作された初のスタジオ・アルバム『Velvet Velvet』より、ぼくが個人的に溺愛させていただいているこの曲を。 |
10. Bye Bye
2012年のアルバム『Sweet Romance』より。 |
11. いつかここで会いましょう
前作から4年ぶり、2016年に出た『Multimodal Sentiment』より。 |
12. 夜の森
で、ラスト、2017年のアルバム『Suburban Baroque』より。このあと、結成35周年を祝うさらなるベスト・アルバム『THE VERY BEST OF CARNATION “LONG TIME TRAVELLER”』をリリースして、いよいよ番組でも取り上げた最新作『Turntable Overture』へと至るのでありました。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第232回 萩原健太のotonanoラジオ#114
2021/12/07 公開
直枝政広さん(カーネーション)をゲストに迎えて(その1)
今週のオンエア曲
1.
カーネーション
SUPER RIDE
『TURNTABLE OVERTURE』
2.
カーネーション
BABY BABY BABY
『TURNTABLE OVERTURE』
3.
カーネーション
海の叙景
『TURNTABLE OVERTURE』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#114
『Jewels~デュオ名曲Vol.2』
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1. Lonely Boy / The Black Keys
カーネーションの直枝さんをゲストに迎えた「otonanoラジオ」。以前、直枝さんがソギー・チェリオスの一員として出演して下さったとき作成したプレイリストのひとつが、ソギーのように2人組なのに“○○&××”とか安易に名乗らず、ちゃんとバンド名、ユニット名を付けて活動しているアーティスト集でしたが。もともと5人組でスタートしたカーネーションも、曲折を経て、今では直枝さんと大田さんの2人組。ということで、今回はその続編。2人組バンド特集第2弾をお届けします。一部、以前のプレイリストとアーティストがダブるものもありますが、もう2年近く前のことなので気にしない気にしない(笑)。別の曲を選んで乗り切ります。てことで、前回のプレイリストにも登場したギターのダン・オーバックとドラムのパトリック・カーニーによる2人組、ブラック・キーズの曲からスタート。前回は「タイトゥン・アップ」をセレクトしましたが、今回はストレートに彼らの代表曲を。ちょうど10年前、2011年暮れのヒットです。 |
2. Seven Nation Army / The White Stripes
ホワイト・ストライプスは、ギターのジャック・ホワイトとドラムのメグ・ホワイト、かつては夫婦だった男女による強力なブルース・ロック・デュオ。今回はグラミーにも輝いた2003年の代表作で盛り上がりましょう! |
3. Sowing The Seeds Of Love / Tears for Fears
ギターのローランド・オーザバルとベースのカート・スミスを中心に、徐々にメンバーを増やしながらバンド活動してきたティアーズ・フォー・フィアーズ。彼らが心機一転、再びローランドとカートの2人組となってリリースした1989年のアルバム『シーズ・オヴ・ラヴ』からそのタイトル・チューンをどうぞ。こいつらも以前のプレイリストに引き続きの登場です。 |
4. Ticket To Ride / Carpenters
カーペンターズというと、リチャードお兄ちゃんのピアノをバックに、ステージ前方でハンドマイクを持って歌う妹のカレン…という姿が思い浮かぶのだけれど。もともとカレン・カーペンターという人はものすごく優秀なドラマー。ある時期からレコーディングでは名手ハル・ブレインがドラムを叩くようになってしまったものの、1969年リリースのデビュー・アルバム『オファリング』では全面的にドラムも叩いてます。てことで、そのアルバムからのシングル・カット曲、ビートルズ・ナンバーをカヴァーしたこの名曲を。 |
5. Jewel / T. Rex
1967年、ギターのマーク・ボランとパーカッションのスティーヴ・ペレグリン・トゥックの2人がティラノザウルス・レックスというアシッド・フォーク・デュオをスタートさせて。1969年にパーカッションがミッキー・フィンに代わって。1970年からはバンド名がT.レックスと短縮されて。その年の暮れあたりからベースとかドラムとか他のメンバーも入ってきて、ぐっとバンドらしい形態になってゆくT.レックスですが。まだボラン&フィンの2人体制で、しかしT.レックスという新名義を名乗っていたほんの一瞬の時期、1970年にリリースされた曲です。ドコドコしてて楽しいです。 |
6. Kid Charlemagne / Steely Dan
T.レックスもこの人たちも当然のように前回のプレイリストに登場しておりますが。キーボードのドナルド・フェイゲンとギター/ベースのウォルター・ベッカーによるスティーリー・ダン。彼らも最初は5人組のような6人組のような。そこからちょっとずつちょっとずつメンバーがそぎ落とされて2人組に。そうなった最初のアルバム、1976年の『幻想の摩天楼』からスリル満点のオープニング・ナンバーを。 |
7. Istanbul(Not Constantinople) / They Might Be Giants
ギター&リズム・ボックスのジョン・フランズバーグと、アコーディオンのジョン・リンネンという一風変わった編成の2人組、ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツ。1985年、当時誰もが便利に使っていた留守番電話をメディアにして音楽活動をするという人を食ったスタイルでインディー・デビュー。21世紀に入るとポッドキャストを活用したり、メディア選定がいつも面白い連中です。そんな2人組がフツーにCDで出したアルバム『フラッド』に収められていた1曲。懐かしの名曲のカヴァーです。 |
8. Tribute / Tenacious D
俳優のジャック・ブラックとカイル・ガスによる2人組ロック・バンド。どちらもけっこうなギターの腕を誇っており、2006年には音楽コメディ映画『テネイシャスD 運命のピックをさがせ!』も制作された。デイヴ・グロール扮する悪魔の歯で作られた伝説のギター・ピックを巡る傑作映画。そのサウンドトラック・アルバムからの1曲です。 |
9. Right Before Your Eyes / America
ジェリー・ベックリー、デューイ・バネル、ダン・ピーク。ロンドンに駐留するアメリカの軍人の息子3人がアメリカン・スクールで出会い、1970年に結成したバンドが“アメリカ”だ。なんだよ、3人組じゃん…ってことなんだけど。やがてダン・ピークが脱退して2人組に。そんなデュオ編成になった後、1982年にリリースされた名曲です。 |
10. Harder Better Faster Stronger / Daft Punk
ダフト・パンクはギ=マニュエル・ド・オメン=クリストとトーマ・バンガルテルによるフランスのエレクトロニカ/ハウス・デュオ。ロボットみたいな風体で2001年に放った代表曲のひとつを聞いてみましょう。カニエ・ウェストが「ストロンガー」でサンプリングしたことでもおなじみかな。 |
11. Kids / MGMT
MGMTはアンドリュー・ヴァンウィンガーデンとベン・ゴールドワッサーによるサイケデリック・ポップ・デュオだ。彼らが2007年にリリースしたデビュー・スタジオ・アルバム『オラキュラー・スペクタキュラー』からのシングル・カット・ナンバーです。 |
12. Las Vegas Turnaround(The Stewardess Song) / Daryl Hall & John Oates
で、ラスト。“○○&××”と安易に連名で名乗ってるやつらは外すのが本プレイリストの原則ですが(誰が決めた? 俺が決めたw)。でも、やっぱりこの人たちだけは入れておきたいな、と。そう思って、ぶち込みました。ホール&オーツ。活動初期、1973年にリリースされたアルバム『アバンダンド・ランチョネット』からのこの名曲で今回のプレイリストは締め、です。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第231回 萩原健太のotonanoラジオ#113
2021/11/30 公開
萩田光雄さんをゲストに迎えて(その2)
今週のオンエア曲
1.
太田裕美
木綿のハンカチーフ(アルバム Ver.)
『音の魔術師/作編曲家・萩田光雄の世界』
2.
南野陽子
秋のIndication
『音の魔術師/作編曲家・萩田光雄の世界』
3.
岡村孝子
NO RAIN, NO RAINBOW
『音の魔術師/作編曲家・萩田光雄の世界』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#113
『Only Yesterday~僕の好きな海外アレンジャー12傑 vol.2』
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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。
1. オンリー・イエスタデイ / カーペンターズ(編曲:リチャード・カーペンター)
以前、船山基紀さんをゲストにお迎えしたとき、ぼくの好きなアレンジャー12人を集めたプレイリストを作りました。そのときの顔ぶれは、ジーン・ペイジ、ジャック・ニッチ、チャーリー・カレロ、ポール・バックマスター、ニック・デカロ、ビリー・メイ、デヴィッド・キャンベル、ボビー・マーティン、モート・ガーソン、クラウス・オガーマン、ゴードン・ジェンキンスという12人でしたが。今回はその続編。ぼくの好きなアレンジャー、さらなる12人のプレイリストです。まずは萩田さんとのお話の中にも登場したカーペンター兄妹のおにいちゃん、リチャード・カーペンターから。この人のハーモニー感覚とか、ものすごいです。すごくスムーズに聞こえるのでたいしたことやってないように思えて、実はとんでもなく過激な音の積み方してます。その辺の魅力をお楽しみください。カーペンターズ、1975年のこのヒットから。サビのコーラスのアレンジとか、なんてことなく聞こえながら、実はとんでもなくスリリングなヴォイシングしてます。 |
2. 別れのときまで / ロバータ・フラック(管弦編曲:エミール・デオダート)
ロバータ・フラック、1970年のセカンド・アルバム『チャプター・トゥー』の収録曲。カナダのシンガー・ソングライター、バフィー・セント・メリーの作品のカヴァーですが、リズム・アレンジはダニー・ハザウェイ。そしてストリングス&ホーン・アレンジがエミール・デオダート。この管弦の編曲が、実にじっと我慢我慢の展開で、じわじわ盛り上がっていくという、なんとも味わい深い仕上がりです。 |
3. 恋のおもかげ(ルック・オブ・ラヴ) / セルジオ・メンデス&ブラジル'66(編曲:デイヴ・グルーシン)
GRPレコードの共同創立者としてもおなじみ、ジャズ・フュージョン・シーンの大御所、デイヴ・グルーシンも1960年代から無数の名アレンジを聞かせてきました。そんな中のひとつ、セルジオ・メンデス&ブラジル'66が1968年にバート・バカラック・ナンバーをカヴァーしてリリースしたシングル曲を。当時、最先端の洗練サウンドだったボサ・ロックです。 |
4. 答は最後に / ジョージ・ハリスン(弦編曲:デヴィッド・フォスター)
今や押しも押されもせぬ大御所アレンジャー/プロデューサーであるデヴィッド・フォスターがまだ若かりしころ、アティテュードというバンドの一員だった1975年にジョージ・ハリスンのアルバム『ジョージ・ハリスン帝国』の収録曲で、がんばってストリングス・アレンジを聞かせておりました。がんばっております。 |
5. ストリート・オブ・ドリームズ / アニタ・カー・シンガーズ(編曲:マーティ・ペイチ)
さらなる大御所。TOTOのデヴィッド・ペイチのお父さんとしてもおなじみ、フランク・シナトラからバーブラ・ストライサンド、サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルド、メル・トーメ、レイ・チャールズ、ジョニー・リヴァース、アレサ・フランクリン、リンダ・ロンシュタット、アル・ハート、マイケル・ジャクソンまで、半世紀にわたってとてつもない量のアーティストたちに名アレンジを提供してきたマーティ・ペイチの腕前をお楽しみください。今日はアニタ・カー・シンガーズが1965年にリリースした名盤『メロウ・ムード・オブ・ラヴ』から、このスタンダード・ナンバーを。 |
6. たかなる心の歌 / ポール・アンカ(編曲:ドン・コスタ)
以前、朝妻一郎さんがゲストで登場してくださったときにももっとも思い入れの強い曲としてかかったポール・アンカ、1958年の名曲。朝妻さんご自身のYouTubeチャンネルのタイトルにもなっている曲ですが、アレンジを手がけたのはポール・アンカの一連の作品のほか、やはりフランク・シナトラ、スティーヴ・ローレンス、イーディ・ゴーメ、ロイド・プライス、ジョージ・ハミルトンⅣなど、多くのアーティストに素晴らしいアレンジを提供してきたドン・コスタです。 |
7. ティアーズ・イン・ザ・モーニング / ビーチ・ボーイズ(編曲:ミシェル・コロンビエ)
ビーチ・ボーイズが1970年にリリースしたアルバム『サンフラワー』収録のブルース・ジョンストン作品。アレンジを手がけたのはフランスの音楽家、ミシェル・コロンビエでした。映画音楽、フュージョン・シーンなどでの活躍が多い人ですが、ペトゥラ・クラーク、ビル・ウィザース、そしてこのビーチ・ボーイズなど、ポップス・ファンにも気になる名仕事をいろいろ残している人です。 |
8. うわさの男 / ハリー・ニルソン(編曲:ジョージ・ティプトン)
映画『真夜中のカーボーイ』のテーマ曲としてハリー・ニルソンが歌ったこの曲、アシッドなフォーク・シンガー、フレディ・ニールが作った曲のカヴァーですが。ニルソンの初期にいい仕事を残しているジョージ・ティプトンの軽やかで、でもどこかちょっと不思議な響きのアレンジが面白い世界観を作り上げています。 |
9. 小さな涙 / コニー・スティーヴンス(編曲:ペリー・ボトキン・ジュニア)
ジョージ・ティプトンとともに初期ニルソンを支えたペリー・ボトキン・ジュニアは、自身でもバリー・デヴォーゾンとの連名で1976年に「ナディアのテーマ」をヒットさせるなど売れっ子として大活躍した人。今日は1962年にコニー・スティーヴンスがシングル・リリースしたキャロル・キング&ジェリー・ゴフィン作品を。ボトキン・ジュニアの軽快なアレンジが光ります。 |
10. アイ・ウィッシュ・ユー・ラヴ / キーリー・スミス(編曲:ネルソン・リドル)
今回取り上げたドン・コスタや、以前の船山基紀さんの回に取り上げたゴードン・ジェンキンスと並んで、フランク・シナトラに無数の名アレンジを残したことでも知られる名匠、ネルソン・リドル。リンダ・ロンシュタットとの仕事でも有名ですが。今日は、キーリー・スミスのこの名唱を。もともとは1940年代のシャンソンで、1957年にキーリーが英語詞で歌って以来、スタンダード化したものです。 |
11. アロング・ケイム・ベティ / アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ(編曲:ベニー・ゴルソン)
ダンモ、いきます。モダン・ジャズ。アート・ブレイキー親分率いるジャズ・メッセンジャーズが1958年にリリースした名盤『モーニン』から、ベニー・ゴルソンのホーン・アレンジが光るこの曲を。ベニー・ゴルソンのアレンジというのは、トランペットとサックスというたった2本の管楽器で、2本とは思えぬふくよかなアンサンブルを聞かせる魔法のようなもので。ゴルソン・ハーモニーなどと呼ばれております。泣けます。 |
12. アワー・ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ / フォー・フレッシュメン(編曲:ピート・ルゴロ)
最後もジャズで。フォー・フレッシュメンの4声オープン・ハーモニーと5本のトロンボーンが絡み合う1955年の名盤『フォー・フレッシュメン・アンド・ファイヴ・トロンボーンズ』からの名演です。編曲を手がけたのはジャズ・シーンの名アレンジャー、ピート・ルゴロ。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第230回 萩原健太のotonanoラジオ#112
2021/11/23 公開
萩田光雄さんをゲストに迎えて(その1)
今週のオンエア曲
1.
西城秀樹
ミスティー・ブルー
『音の魔術師/作編曲家・萩田光雄の世界』
2.
小林明子
恋におちて -Fall in Love-
『音の魔術師/作編曲家・萩田光雄の世界』
3.
桑江知子
私のハートはストップモーション
『音の魔術師/作編曲家・萩田光雄の世界』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#112
『話しかけたかった~作編曲家・萩田光雄ワークス~』
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1. 話しかけたかった / 南野陽子
名匠、萩田光雄さんをお迎えした「otonanoラジオ」、いかがでしたか? 番組でも取り上げたCD5枚組ボックス『音の魔術師/作編曲家・萩田光雄の世界』は、萩田さんの歴史であると同時に日本のポップ・シーンの歴史でもあるのだな、と思い知るわけですが。なにせ4000曲以上のお仕事をなさってきた萩田さんだけに、その歴史はCD5枚ぽっちで振り返れるものではないこともまた事実。ということで今週のプレイリストは、その5枚組には収められなかった萩田ワークスから、ぼくが好きな曲を12曲セレクトしてみました。『音の魔術師/作編曲家・萩田光雄の世界』と合わせてお楽しみを。まずはぼくがいちばん好きな萩田編曲作品から。1987年にヒットした南野陽子、7作目のシングル。作詞・戸沢暢美、作曲・岸正之、編曲・萩田光雄です。 |
2. お願いダーリン / 酒井法子
続いては、のりピーがレコード・デビュー前の1986年に初レコーディングした曲としておなじみのこの曲を。作詞・三浦徳子、作曲・瀬井広明、編曲・萩田光雄。 |
3. ラヴェンダー・リップス / 河合奈保子
1985年のシングル曲。作詞・売野雅勇、作曲・林哲司、編曲・萩田光雄。当時の歌謡ポップ・シーンではまだあまり一般的ではなかったセンスのいいメロディとサウンドに感動したものです。 |
4. お化けのロック / 郷ひろみ&樹木希林
1977年のノヴェルティ・ヒット。作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童、編曲・萩田光雄。 |
5. カム・フラージュ / 柏原芳恵
1983年暮れに出たシングル。よしえちゃんがよく取り上げていた中島みゆきの書き下ろし曲です。編曲はもちろん萩田光雄。 |
6. -Dreaming Girl- 恋、はじめまして / 岡田有希子
岡田有希子は1984年、竹内まりやが書き下ろした“学園三部作”を次々リリースする形でデビューしたわけですが。その1作目「ファースト・デイト」と3作目である本曲を萩田さんが編曲なさっていました。「ファースト・デイト」は今回のボックスに収められていたので、こちらでは本曲“恋はじ”のほうを。作詞作曲・竹内まりや、編曲・萩田光雄。 |
7. トワイライト -夕暮れ便り- / 中森明菜
明菜ちゃんも初期は完全に萩田ワールド。1983年に出たこの5作目のシングルもそう。作詞・来生えつこ、作曲・来生たかお、編曲・萩田光雄。 |
8. それぞれの渚 / 稲垣潤一
ソングライターとしての萩田作品もお楽しみください。稲垣潤一、1991年のアルバム『WILL』より。作詞・石川あゆ子、作編曲・萩田光雄。 |
9. BE-BOP-HIGH SCHOOL / 中山美穂
作詞・松本隆、作曲・筒美京平、編曲・萩田光雄というゴールデン・トリオによる作品のひとつ。1985年にリリースされた中山美穂、3作目のシングルです。 |
10. 想い出通り / 南沙織
これも筒美=萩田作品。歌詞は南沙織に多くの作品を提供してきた有馬三恵子。1975年のシングルです。これも当時、思い切り新鮮だったなぁ。 |
11. 南風 -SOUTH WIND- / 太田裕美
1980年のシングル。作詞作曲・網倉一也、編曲・萩田光雄。確か紅白歌合戦で裕美さん、ローラースケート姿で張り切って歌っていたような…。若かった(笑)。 |
12. 海を見てる少女 / 坂上香織
最後はもうひとつ、萩田さん自身のメロディを。1988年のデビュー・アルバム『季節のプロローグ』のラストを飾っていた萩田光雄の作・編曲ナンバーです。作詞は松本隆。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。 早川書房に入社後、 フリーに。 TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。 テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。 また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。 主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、 憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、 自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
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