ジャズメガネのセンチなジャズの旅

129. 「ヤー!/チャーリー・ラウズ」
129.  「ヤー!/チャーリー・ラウズ」

   1100円の廉価盤シリーズというのが高校生の頃に大量に発売された。きっかけはCBS・ソニーだったのだろうか。ビクター、日本コロムビアなど各社から発売されたが、そのラインナップはどこも二線級がメイン。もちろん、マイルスなどはその値段では出さなかった。CBS・ソニーは傍系のEPICレーベルからの発売をメインにして、『ウォーム・ウッズ /フィル・ウッズ』や『ウォーム・サウンド/ジョニー・コールズ』といった渋めの発売をしていた。その中でも『ヤー!/チャーリー・ラウズ』は特に渋め。渋すぎるテナーのカルテットでピアノは大学生だというのだ。ところがこのピアノがいい。レッド・ガーランドそっくり。高校生の時、このレコードを買ったのだが、試聴して買ったのか、それともジャケ買いをしたのか、記憶は定かではない。。でも、このピアニストのおかげで今でも愛聴盤なのだ。同じ時期、このピアニスト、ビリー・ガードナーが参加している『トゥー・フィート・イン・ザ・ガター/デイブ・ベイリー』も買った。マイルスなど買わなきゃいけない名盤がたくさんあったのに、お小遣いで買える1100円盤が手頃だったんだなぁ。おかげで渋いアーティストと早く出会えたという訳だ。

text & cut by Kozo Watanabe