ジャズメガネのセンチなジャズの旅

127. 「日野元彦カルテット+1/流氷」
127. 「日野元彦カルテット+1/流氷」

   最近、様々な分野で若手が驚異的な実力を発揮している。野球やゴルフ、サッカー、そして相撲まで。しかもみんな世界に通用する実力がすでに伴っているから凄い。ジャズ界も10代の凄腕プレイヤーが続々と登場。その腕前もベテランのような実力で、しかもフレッシュだ。ロートルな自分はただ茫然と見つめてしまうのだが、今回の『流氷』を聞いて思い出した。1976年の遠い昔、日野元彦グループに参加していた渡辺香津美は22歳(レコード・デビューは17歳!)、清水靖晃は21歳だったんだと。。あの時代、さすがに10代には活躍の場はなかったから20歳そこそこというのは本当に若いスターだった。2人とも世界標準の演奏を当時繰り広げていたことを思うと、今の時代に決して引けを取ってはいない。むしろ『流氷』のような熱い演奏が今の若者は出来ているのだろうか?とも思う。そんなことを思わせた1枚だ。

text & cut by Kozo Watanabe