ジャズメガネのセンチなジャズの旅

126. 「山本剛/ミスティ」
126. 「山本剛/ミスティ」

   発売してから何度も繰り返し再発されるアルバムというのは、そんなに多くはない。マイルス・デイビスの「カインド・オブ・ブルー」、ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビイ」、ジョン・コルトレーンの「至上の愛」などいずれもジャズ史に燦然と輝く名盤ばかりだ。そして、山本剛の1974年初リリースの「ミスティ」も何回再発されたのだろう。元はTBMというインディーズの原盤であるにも関わらず、レコード、CDで何度も再発された上に、録音が素晴らしいということもあり、オーディオ・マニア向けにアナログ、45回転レコード、SACD、XRCDなどいろいろなフォーマットで発売されている。まさに名盤の仲間だと言えよう。しかも、山本剛の18番<ミスティ>は自身により何度も再録されている。全ては色褪せることなく、いつの時代にも輝いている。「ミスティ」はジャズ史上の重要な一枚だ。

text & cut by Kozo Watanabe