ジャズメガネのセンチなジャズの旅

124. 「メキシコの想い出/チャールズ・ミンガス」
124. 「メキシコの想い出/チャールズ・ミンガス」

   学生時代、大学構内の中に生協があった。いろいろ割引きで購入出来て重宝したものだったが、レコードが少しだけ売っていて、それを見るのが楽しみだった。もちろん、そんなに枚数があるわけではないのだが、メジャー・レコード会社から発売の新譜が置いてあったりする。早稲田のダンモ研所属としては当然ジャズのレコードを探す。少ない枚数の中から何枚くらい買ったのだろうか?今でも覚えているのは、コルトレーンの「バラード」。当時、発売は日本コロムビアだったか。そして、もう一枚は、今回取り上げた「メキシコの想い出/チャールズ・ミンガス」。RCAが1,100円シリーズで出していたと思う。あまり、有名なアルバムではなかったが、安さとジャケットのインパクトでつい買ってしまった。その頃にはミンガス・バンドのエリック・ドルフィーやジャッキー・バイヤードがすでに好きだったが、このアルバムにはスター・プレイヤーはいない。でも、聞いたらあっという間に虜になった。情熱的なカスタネットに乗って暴れるミンガス・サウンド。以来、ずっと愛聴盤だ。ミンガスといえば、このアルバムと「アー・アム」、そして「道化師」なのだ。

text & cut by Kozo Watanabe