ジャズメガネのセンチなジャズの旅

117. ゲイリー・ピーコック『ヴォイセズ』
117. ゲイリー・ピーコック『ヴォイセズ』

   このアルバムは1971年の録音だ。当時買ったスイングジャーナルの8月号(ニーナ・シモンが表紙)にレコード・レヴューが掲載されていて、とても気になっていたアルバムだ。前年にゲイリー・ピーコックの『イーストワード』を聞いていたこともあり、この東洋思想に溢れるアルバムにも心惹かれていたのだった。71年といえば中学3年生の時のこと。しかし、なぜこんな東洋的なジャズに魅せられたのだろう。71年には当時、新たなアイドル3人娘が誕生していた。小柳ルミ子、南沙織、天地真理。クラスにはこの3人のそれぞれの派閥が出来、私は南沙織派ではあったが、ドーナッツ盤を買う訳でも、「平凡」、「明星」を買う訳でもなく、たまに歌番組を見るくらい。一方、ジャズに目覚め、スイングジャーナルを読みふけり、NHKの「ジャズ・フラッシュ」を毎週聞いてはジャズ・ノートなるものにメモをつけていた。
   実を言うと今の方が推しの女性タレントには力を入れて追っかけているようだ。

text & cut by Kozo Watanabe