落語 みちの駅
第百三十回 「第225回 朝日名人会 レポート」
12月17日(土)14時から16時55分まで、有楽町朝日ホールで第225回朝日名人会。二ツ目は古今亭志ん松「松曳き」、真打は柳家三三「小言幸兵衛」、橘家圓太郎「うどん屋」、中入り後に古今亭志ん輔「掛取萬歳」。少し辛口の実力派でそろえてみました。
志ん松「松曳き」は正攻法でムダのない好演。先が楽しみです。噺自体が歴史的に熟成している古典落語に安っぽいギャグの上塗りをするのは現代若手落語家が落ち入りやすいワナであって、志ん松さんがそうした道に入りそうもないのは、新しい年へのお年玉です。
柳家三三「小言幸兵衛」は亡師小三治ゆずりの高座でしたが、この日は名手にして何か迷いが生じたのか、小言のための小言に耽る変屈家主の表現がやや類型的で客席の反応もイマイチ。こんなこともあるものです。
橘家圓太郎「うどん屋」。三・四・五代柳家小さんの“自然体の”「うどん屋」とは一味も二味もちがう噺の運びで楽しめました。酔漢の表現には柳家流とはちがう“自然体”が感じられ、頼もしく思いました。
古今亭志ん輔「掛取萬歳」は達者な個性派が本領を発揮した高座でした。芝居の場面もやり過ぎにならず、ここは舞台ではなく長屋なのだ――に徹していたように思います。
もう少し洗練と素直な遊び心が前に出てくれば、師匠(志ん朝)も大師匠(志ん生)もやらなかった噺が名物になることでしょう。
古今亭志ん松「松曳き」
柳家三三「小言幸兵衛」
橘家圓太郎「うどん屋」
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志ん松「松曳き」は正攻法でムダのない好演。先が楽しみです。噺自体が歴史的に熟成している古典落語に安っぽいギャグの上塗りをするのは現代若手落語家が落ち入りやすいワナであって、志ん松さんがそうした道に入りそうもないのは、新しい年へのお年玉です。
柳家三三「小言幸兵衛」は亡師小三治ゆずりの高座でしたが、この日は名手にして何か迷いが生じたのか、小言のための小言に耽る変屈家主の表現がやや類型的で客席の反応もイマイチ。こんなこともあるものです。
橘家圓太郎「うどん屋」。三・四・五代柳家小さんの“自然体の”「うどん屋」とは一味も二味もちがう噺の運びで楽しめました。酔漢の表現には柳家流とはちがう“自然体”が感じられ、頼もしく思いました。
古今亭志ん輔「掛取萬歳」は達者な個性派が本領を発揮した高座でした。芝居の場面もやり過ぎにならず、ここは舞台ではなく長屋なのだ――に徹していたように思います。
もう少し洗練と素直な遊び心が前に出てくれば、師匠(志ん朝)も大師匠(志ん生)もやらなかった噺が名物になることでしょう。
古今亭志ん松「松曳き」
柳家三三「小言幸兵衛」
橘家圓太郎「うどん屋」
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