ジャズメガネのセンチなジャズの旅
104. ティー&カンパニー『スパニッシュ・フラワー』
TBMのオーナー・プロデューサー藤井武さんはアクティブな方だ。自分で起こしたレーベルで140枚程のアルバムを制作したことはもとより、自ら楽器を演奏しないにも関わらず、自分の名義でリーダー・アルバムを作ってしまった。今回、ご紹介したティー&カンパニーはライヴ録音で3枚のアルバムが残されていて、ティーというのは藤井さんの愛称だ。プロデューサーとしての藤井武とバンドのリーダーとしてのティーは当然、何かが違うのだろう。3枚のアルバムに収録された曲はいずれも長尺でフリーの要素やエレクトリック・マイルス感が強い。特別編成された総勢8名のアーティストを束ねるリーダーはさしずめマイルスといったところなのだろうか。
このバンドのサウンドは好きだ。スリリング。特に油の乗っていた時期の植松孝夫が堪能出来る。こういった強者を集めて自分好みのサウンドを作り上げるという贅沢を味わってみたくなってきた。
text & cut by Kozo Watanabe