ジャズメガネのセンチなジャズの旅

101. 鈴木勲トリオ&カルテット+1『ブルー・シティ』
101. 鈴木勲トリオ&カルテット+1『ブルー・シティ』

   オマさんのベスト・セラーといえば「ブロー・アップ」と「ブルー・シティ」。今回、特集している「ブルー・シティ」に収録されている2曲のマイナー曲が僕は大好きだった。ベスト・セラーを支えてきたお客様もきっとそうだったに違いない。まずは〈(8番街)45丁目〉。ウディ・ショウの〈スウィート・ラヴ・オブ・マイン〉と同じメロディだが共作で、オマさんのアルバムに収録する時はオマさん名義で、ショウのアルバムの時はショウの名義でという約束にしたとのこと。チェロで奏でられるマイナー・メロディの哀愁感。。もう一つは「プレイ・フィドル・プレイ」。こちらはベースのアルコとスキャットで奏でるマイナー曲が究極の哀愁メロディ。どちらも昭和哀愁歌謡メロディと似て非なるギリギリの線だ。それは日本人なら誰でも好きだろう。間違いなく日本人に流れている血なのだから。

text & cut by Kozo Watanabe