ジャズメガネのセンチなジャズの旅
100. 鈴木勲トリオ&カルテット『ブロー・アップ』
鈴木勲さん、通称オマさんが亡くなられた。日本を代表するベーシスト。そして、あのジャズ・メッセンジャーズにも在籍していたことがある。その黒いビートとベースの音色は、本来のバンドの支え役を超えて、スターの一人として日本ジャズ界に君臨していた。
派手な衣装。そしてチェロやピアノ、時にはスキャットも披露する。従えるメンバーは新人を中心とした若手たち。アート・ブレイキーが後進たちを育てたようにオマさんも多くの人材を育てた。渡辺香津美を筆頭に、纐纈雅代、中山拓海などを輩出。晩年になってもまだ新人育成に余念が無かった。その指導の厳しさは相当なものだったという。
私は個人的にお付き合いはなかったが、TBMのリーダー・アルバムに関して何度か電話でお話ししたことがある。ジャズマンの雰囲気が電話を通じても伝わってきた。
日本ジャズ界の灯りがまた一つ消えた。。。
text & cut by Kozo Watanabe