ジャズメガネのセンチなジャズの旅
99. 高柳昌行とニュー・ディレクション・ユニット『メルス・ニュー・ジャズ・フェスティヴァル’80』
2022年になってまさか本格的な戦争が起こるとは予想だにしなかった。20世紀の1960年代、70年代は戦争が日常的にあり、多くの芸術家たちは戦争反対を叫んで表現をしたものだった。ギターの高柳昌行さんも反骨精神の持ち主で戦争を起こすような輩やそれで甘い蜜を吸うような人間を許さなかった。その気持ちをギターの爆音に託し、いつも過激な演奏をしていた。
このアルバムでも水爆実験の犠牲者のためのレクイエムを演奏している。高柳さんの音楽はいつも真摯だ。若い頃は渡辺貞夫さんと夜な夜な音楽理論について語りあったともいう。1980年のメルスに集まった若者たちも高柳さんの演奏にさぞかし共感したことだろう。。
text & cut by Kozo Watanabe