ジャズメガネのセンチなジャズの旅
93. 和田直クインテット+1『フォー・シーンズ』
和田直さん。名古屋ローカルのジャズ・ミュージシャン。TBMにしかリーダー・アルバムを残していないレアな方。なのに、こんなに何度もラジオで特集してるなんてご本人はご存知なかったかもしれない。残念ながら先頃、お亡くなりになられたが、ラジオでの特集をご連絡しておけばよかった、と悔やまれる。
和田さんのブルージーなプレイのレパートリーはほとんどブルース曲。TBMに残された録音もほとんどがブルースで、サイドメンもソウルフルな演奏が得意なメンバーで固められていた。でも、このアルバムは違う。異質だ。冒頭のスキャットは由紀さおりさんが歌ってもおかしくないようなポップナンバーだし、演奏者も若く、その演奏もモーダルだったりする。アナザー・サイド・オブ・和田直だ。でも、ギターの音色は紛れもなく和田直さんなのだ。
text & cut by Kozo Watanabe