ジャズメガネのセンチなジャズの旅
88. 土岐英史カルテット『TOKI / トキ』、原信夫とシャープス&フラッツ、しかたたかし『活火山』
このところ、ジャズ・ミュージシャンの方々が亡くなられて悲しみが絶えない。村上ポンタさんを始め、先輩格の方達の訃報が多かったけれど、土岐さんは僕と同じアルト奏者でもあり、本当にショックだった。山下達郎さんのサポート・メンバーを長年務めていたのが記憶に残っている人も多いかもしれないが、僕にとっての土岐さんはTBMに残した初リーダー・アルバム「トキ」が一番印象が強い。あの美しいアルトの音色としなやかなフレーズ。ジャズ研の仲間たちはこぞってあのアルバムのレパートリーを真似て演奏した。当時、貞夫さんのようなレジェンドとは異なり先輩格の兄貴分だったのだ。その土岐さんの演奏はもう聞けない。。
そして、レジェンドの原信夫さんもお亡くなりになった。軍楽隊出身で戦後、日本のジャズ界に大きく貢献された。人柄も温厚でプロデューサー的感覚も持ち合わせた大きな方だった。もちろん、歌謡番組での伴奏や美空ひばりの「真っ赤な太陽」の作曲者としてお茶の間でも有名だった。一度、お仕事をご一緒させていただいたことがあるが、ユーモアもある方でした。
心からご冥福をお祈りいたします。
text & cut by Kozo Watanabe