ジャズメガネのセンチなジャズの旅
60. 細川綾子『ノー・ティアーズ』
スリー・ブラインド・マイスのレーベル・カラーは発足間もない僕の高校時代に染み付いたせいか、サムライ・ジャズ的なワイルドなイメージだった。そして、そのように染み付いたイメージはなかなか変えることが出来ないまま、時が過ぎた。
今回、細川綾子コレクションを改めて聞くにつけ、このヴォーカル・アルバムもTBMの範疇のものだと決めつけていたが、その思いが覆った。なんだ、とてもライト・メロウじゃないか。ラルフ・マクドナルドの名曲は今、クラブでかけても通用するグルーヴ感、ソウル感。1970年代のAOR的なテイストもちゃんとTBMは取り入れていたのだ。
text & cut by Kozo Watanabe