ジャズメガネのセンチなジャズの旅

58. 鈴木勲『黒いオルフェ』
58.  鈴木勲『黒いオルフェ』

   オマさんこと鈴木勲に初めて魅せられたのは70年代前半、高校生の時買った「ブロー・アップ」。続いて、名曲<(8番街)45丁目>が入っている「ブルー・シティ」は大学生の時。ベーシストのリーダー・アルバムなのに、どちらもセカンド・ベーシストを入れていて、とてもヒップな感じが漂うアルバムだったからスタンダード・ジャズくさくないところが若者の心にも刺さったのだろう。そして、このトリオ・アルバムはアップ・トゥ・デイトに聞くことはなかった。ピアノ・トリオがストレート過ぎたのかもしれない。でも、改めて聞くと、なんでも出来るトリオ。ソウルフルでお洒落。

   歳を重ねてからの愛聴盤になったことが嬉しい。

text & cut by Kozo Watanabe