ジャズメガネのセンチなジャズの旅

56. 高柳昌行セカンド・コンセプト『クール・ジョジョ+4』
56.  高柳昌行セカンド・コンセプト『クール・ジョジョ+4』

   Cool。今でこそ、日本でも「イカしてる」という意味で使われるが、ひと昔前は「涼しい」という意味でしか使われなかった。僕もクール・ジャズという言葉を初めて聞いた時、ホットなジャズに対して熱くならないジャズ=白人のジャズと熱量の差として認識していた。大きな間違いではないが、音楽的にはビバップの後に誕生した「ジャズを冷静、理論的に追求する知的なスタイル」だった。ジャズ初心者時代の自分には刺さらなかったが、歳を重ねるとそのカッコ良さが分かるようになってきた。幾何学的なジャズもまたイカしていることに気づいたのだ。

   Cool Jazzと胸を張っていた人たちはその当時から「俺たちの方がパーカーやガレスピーよりイカしているのさ」、と思っていたのだろう。高柳さんもその一人だったのかもしれない。

text & cut by Kozo Watanabe