ジャズメガネのセンチなジャズの旅

52. 金井英人『アランフェス協奏曲』
52. 金井英人『アランフェス協奏曲』

   金井英人というベーシスト、日本ジャズの歴史には名を残している方だが、TBM以外にリーダー・アルバムはなく、サイドメンとしても残されたものも少ない。その名前を知らないジャズ・ファンも多いだろう。ただ、TBMのプロデューサー、藤井さんとは相性が良かったのか、TBMレーベルにはリーダー・アルバムが数枚残されている。

   僕はチャールズ・ミンガスのような彼の骨太なベースが大好きだった。戦後の早い時期から前衛的な取り組みを研究し、高柳昌行らと共に銀巴里セッションの録音も残した。

   大分前に横浜でライブを見た時も演奏中に口上などを交えシュールなステージを繰り広げていたものだ。今となっては懐かしい。

text & cut by Kozo Watanabe