DJ OSSHY TOKYOの未来に恋してる!
安心・安全・健康的なディスコ・カルチャーを伝達することを使命とするDJ OSSHYのインタビュー連載
第32回【対談⑦ LiLiCo × DJ OSSHY[前編]】
シンガー、ダンサー、映画ジャーナリスト、格闘家と活躍されてますけどすべてで深い知識とスキルを持ち合わせている。こんな人めったにいない。僕はLiLiCoをリスペクトしています。(DJ OSSHY)
お仕事をいただいているということは、ほかの方の時間も自分が共有しているということ。だから、例えばドタキャンなんていうことはまったく理解できないんですよね。車に轢かれても私はそのまま現場に行くかな(笑)。(LiLiCo)
── DJ OSSHYの連載「TOKYOの未来に恋してる!」の対談シリーズに7人目としてご登場するのは映画コメンテーター、歌手、女優、そしてプロレスラーとしても活躍するLiLiCoさんです。OSSHYさんとは大の仲良しというLiLiCoさんですが、おふたりが初めて出会ったのはいつ頃なんですか?
DJ OSSHY 初めて会ったのはいつだったか思い出せないんですが、2016年にMXテレビの『Disco Train』にゲストで出演してもらったのをきっかけに急に仲良くさせてもらうようになったんです。その前に彼女が所属するバンド、MIX/Flyが出たライヴでバックDJもしたことがあったんですが、そのときはメンバーだとは知らなくて。あとでLiLiCoがいるとわかったんですよね。
LiLiCo そうそう。そのときはLLCと名乗っていたから、わかりづらかったですよね。MIX/Flyは男性と私のツイン・ヴォーカルで、その人の頭髪が薄くなったら解散しようと言っていたんですが、本当に薄くなったので解散したんです(笑)。
DJ OSSHY (笑)
LiLiCo でも、いまだにみんなそれぞれに活躍していて、あと1、2年くらいしたら一夜限りの再結成をしてもいいかなと話しています。MIX/Flyは全部がメドレーで、1時間に80曲くらい演奏して歌うんです。曲を知らなくても笑って音楽を存分に楽しめるバンドでした。そういうバンドもやっていたし、私ももっとディスコが復活してほしいと思っていたので、『Disco Train』に出演してやっと話が通じる人と出会えたと喜んだんです。OSSHYさんと会ったときも「私はバカラとか聴いてて」とか話したら、すごく話に乗ってくれて。それで、もっとお話したいというのが始まりですかね。
DJ OSSHY そこから急速に現場をご一緒することが多くなったんですよね。
LiLiCo そうそう、私も歌えるからどこかで何か一緒にできたらいいなと思っていて。でも、そういう「いいな」って、日本の方は社交辞令的に言いますけど、私は有言実行なので。歌える場所があるところを探して、DJ OSSHYさんにも探してもらったりして、そうこうしているうちにたくさんご一緒する機会が増えていったんです。
DJ OSSHY こうしてLiLiCoと仲良くさせてもらうようになってあらためて感じることがあるんですよ。シンガー、ダンサー、映画ジャーナリスト、格闘家と活躍されてますけど、LiLiCoはすべてプロとして仕事にしているところ。四刀流のマルチ・タレントという人には会ったことがなかった。さらに最近では女優としての顔も定着してきました。そのすべてがちょっとかじったというわけじゃなく、すべてで深い知識とスキルを持ち合わせている。こんな人、日本はもちろん、世界でもめったにいない。リスペクトしています。今日もフジテレビ系の『ノンストップ!』に生出演した足で、ここに来てくれて。常に本番と向き合っているけど、健康管理とかどうしているの?
LiLiCo 私の健康は仕事で維持されています。
DJ OSSHY え、でもお酒も飲むでしょ? そんなに忙しいのに。
LiLiCo 飲みますよ。最近は分刻みじゃなく秒刻みのスケジュールと言っています。何かをやっている間に、もうひとつのことをやっている。エレベーターのボタンを押した後に鍵を締めるとか。起きている間はずっと動いている感じです。でも、そんな忙しい毎日がつらいんじゃなくて、楽しいんですよ。私から仕事を取ってしまうと、究極のめんどくさがり屋になっちゃう。本当はずっとゴロゴロしながらテレビ観て、お菓子を食べていたい。でも、お仕事をいただいているということは、ほかの方の時間も自分が共有しているということ。だから、例えばドタキャンなんていうことはまったく理解できないんです。車に轢かれたとかなら別ですよ、あ、でも私はそのまま現場に行くかな(笑)。
DJ OSSHY ほんとに(笑)!?
LiLiCo 意識がなかったら無理ですけど(笑)、私だけの時間じゃないので、何があってもドタキャンしたくない。失礼だし、申し訳ない。ずっと仕事のスケジュールを入れておきたいんですよね。そうじゃないとたぶん風邪をひいちゃう。気持ちが緩んじゃって。昔は元旦だけお休みをいただいていたんですが、そういう時に限って胃腸炎になったりするんですよ。だから、元旦にも仕事を入れるようになりました。究極のめんどくさがり屋でありながら、何かをするのが好きですし……
DJ OSSHY ……あ、司会の方、油納さん。この対談は僕がLiLiCoの聞き役になりますね(笑)。人も好き?
LiLiCo そう、何よりも人が好き。だからインタヴュアの仕事もやっているんです。人って、どんな方でもすごいドラマを持っている。そういう話を聞くのが大好きなんですよね。もちろん、OSSHYさんが私のことをそう見てくれているのもありがたいです。色々やっていても、私はその分野でもプロにならないと、その分野のプロの方、お客さんや視聴者の方に失礼なんですよ。いちばんみなさんが意外だと思っているであろう、プロレスラーもタレントの方が多く挑戦されています。でも、全然痛くないのに痛がっているようなふりをしている。誘われた時、そういうことじゃやらないと言ったんです。臭い芝居をするんなら、やらないほうがまし。だから、リングに上がる1年以上も前からずっとトレーニングを積んできたんです。
DJ OSSHY プロレスラーになるためのトレーニング?
LiLiCo はい。基本は受け身です。怪我をしないための。今まで本気でスポーツをやったことがほぼなかったんです。スウェーデンは体育の時間がしっかりとあるので、たいていのスポーツはできます。でも、プロレスはパーソナル・トレイナーの方にお願いしました。こんな飲ん兵衛がプロレスの世界に入って、3か月のトレーニングで気がつけばボディービルでも日本大会5位になったんですよ。
DJ OSSHY それは、素晴らしいね。
LiLiCo トレイナーの方たちの指導もすばらしかったんですが、その時に涙を流したのはなぜかというと、彼らは私のために時間を作ってくれて、一緒になってがんばってくれたから。最初は深夜までやってるジムでラッキーと思いながら通っていたんですが、3か月の間に私をなんとか入賞できるようにと特別に時間を調整してくれて、指導してくれたんです。スポーツってこんな感じなんだというのが、感謝と共に湧き上がってきました。40代後半になってもプロレスもできるし、結婚もできた。あ、結婚はラッキーでしたけどね(笑)。だから、日本の女性に言いたい。友だちは結婚して子供も産んで幸せそう、彼氏もいない私は人生終わったわというようなことは言わないでって。
DJ OSSHY でもそれはLiLiCoだからできたんじゃない?
LiLiCo そんなことないですよ。私は今、早く50歳になりたいんです。あと2年なんですが、時間が経つのがすごく遅いんですよ。50代のロール・モデルになりたい。日本人は何かしらモデルがあると進んでいけるということが、芸能生活30年を間近にして理解しました。その30年の間に成功した人、消えていった人を見ていて、何が必要なのか、何をしたらいけないのか、何をすべきなのかという法則もわかった。そういうのを観察しているのも健康の秘訣なんです。
DJ OSSHY なるほど、やっぱりこのバイタリティこそがLiLiCoをLiLiCoとしている源なんだ。この前の3月に一緒に出演した山梨のイベント『909 Yamanashi DISCO Fever』もすごく盛り上げてくれたしね。
LiLiCo クレイジーでしたね〜。ドアが閉まらないくらいにお客さんが入って。みんなディスコを待っていたんだなって思いました。そこに私も便乗することで、ほかの場所でもどうすればディスコ・イベントを開催できるのかわかってくる。このくらいのサイズのハコだったら、このくらいの音響が必要だろうなとか。もちろん、DJ機材の詳しいことはわからないですよ。でも、運営とか流れはわかってくる。やっぱり現場に足を運んでみないとわからないことが多いんですよね。
DJ OSSHY その通りです。現場が全てですから。
LiLiCo その一方で、やっぱりお客さんに興味を持って、ずっと観察しちゃう。どういうお客さんが来ていて、どう楽しむのか、家に帰るまで何を考えるだろうとか。主人の純烈も同じで、見ちゃうんですよね。マダムばっかりだと思われがちですけど、仮面ライダーや戦隊シリーズに出演していたので子どもも多いし、男性もいる。もちろん、自分のファンもじっくり見ますよ。昔は自立したかっこいい女性ばっかりだったのが、怒られたい男性が増えてきた(笑)。声をかけられるのも、『王様のブランチ』観てますよーから、J-WAVEの『ALL GOOD FRIDAY』聴いてますよーに変わってきたり。でも、駅にいると若い子たちが線路の向こうから『ノンストップ!』とか言いながら手を振ってきますけどね(笑)。
DJ OSSHY 若い子が『ノンストップ!』って、やるんだ(笑)。でも、まさにそのとおりでお客さんそれぞれにも人生がある。それはDJブースからダンス・フロアを見ていて、いつも思うことだね。
LiLiCo 私もOSSHYさんと一緒に出させていただいて歌いながら、ああ、あの白いハットとスーツの着ている人は昔ブイブイ言わせてたんだろうなとか思ったり。恋をして実ったり、振られたりして、でも結婚して子供もできて、自分で会社を立ち上げてるかもしれない。もしかしたら、そんなキマった格好をしていても、会社では平凡なサラリーマンかもしれない。でも、そういうお客さんたちにとってOSSHYさんのイベントは本当に特別なもの。この日だけはあの日の自分に帰れるから。そんなことを思いながら歌っています。
DJ OSSHY そう、だから毎回毎回、最高の時間になるように準備もおろそかにできないし、もちろん現場のDJでも。LiLiCoのディスコ時代というのはあったの?
LiLiCo ありましたよ、もちろん! スウェーデンには子供のためのディスコ、クナッテ・ディスコというのがあるんです。クナッテというのは「おちびちゃん」という意味。ティーン向けのディスコで、もちろんお酒なんか出ないのでジュースを飲みながら踊るんです。私も10歳からダンスのレッスンに通っていて、ジャズ・ダンス、タップ・ダンス、社交ダンスを習っていたので、私から踊りや音楽を奪い取ったらもうここに立ってはいられない。音楽、ディスコは私を支える背骨のようなものなんです。
DJ OSSHY そんなに小さい頃から踊るのが好きだったんだ。
LiLiCo 今も同じですよ! やっぱりとにかく音楽が好きなんですよね。クナッテ・ディスコの後にカナリア諸島のディスコに行った話をしましょうか? スウェーデン人って、バカンスの時期になるとみんなカナリア諸島に行くんです。日本人にとってのハワイみたいなところで、ホリディシーズンになるとスウェーデン人だらけ。そこにディスコがあって、期間限定の恋をするわけですよ。同じくらいの歳のスウェーデン人と話して、え!私と同じホテルじゃん〜! とか盛り上がりながら。でも、次の日、昼間あったら全然かっこよくなくて(笑)。
DJ OSSHY それはディスコあるあるだね(笑)。
LiLiCo いつの時代もディスコは人をイケメンにさせる魔法を持ってる(笑)。あの頃はチークタイムはもう流行ってなくて、私が日本に来てMAHARAJAとか行ってる時くらいにチークタイムが戻ってきたのかな。
DJ OSSHY ‘88年くらいだっけ?
LiLiCo そう、’88年12月に来日したんです。
DJ OSSHY 昭和と平成の狭間だ、まさに。平成と言えば、3月にリリースされたコンピCD『サンキュー 平成洋楽ヒット』のCMで歌ってたね(*宣伝期間終了)。しかもホイットニー・ヒューストン「オールウェイズ・ラヴ・ユー」、マライア・キャリー「ヒーロー」、セリーヌ・ディオン「パワー・オブ・ラヴ」という、まさに平成31年間を代表するようなスーパーヒット曲を。
LiLiCo はい! ここは3人にも失礼のないようにしっかりと歌わせてもらいました。もちろん、シンガーとして!
V.A.『サンキュー~平成洋楽ヒット』
2019年3月13日発売
DJ OSSHY コンピは全37曲収録されているけど、その中でも思い出深い曲はある?
LiLiCo ありますよ。この曲がヒットしていた時、この人と恋してたみたいな想い出じゃないんですけど。曲はジャミロクワイの「ヴァーチャル・インサニティ」。私が中川翔子ちゃんのお母さんのお店でホステスとして働かせてもらったことで、ホームレスからようやく家に住めるようになった頃のヒット曲です(笑)。その頃いつも通っていた六本木のバーでよくかかっていて、当時流行していた10cmくらいある厚底ブーツを履きながら踊っていたので、いつも足元を見ていたんですよ、コケないように。私たちは5、6人で楽しく飲んでいたんですが、ぽつんとひとり足の大きな外国人がいたんです。こっちにおいでよと逆ナンパして(笑)、一緒に散々飲んでバイバイ〜と別れたんですが、翌朝の全スポーツ新聞の一面にその人の写真があって。え! え!?……って。
DJ OSSHY え、誰だったの?
LiLiCo アンディ・フグ。勝った試合の後に何のお祝いもしないで、ひとりで六本木に来て飲んでいたらしいんですよ。その夜の写真もありますよ(笑)。その頃、K-1にまったく興味がなかったから、アンディ・フグのことは日本に来たけど、ひとりで淋しく時間を持て余す外国人としか見えなかったんです。そのお店にはK-1を中継していたフジテレビの人たちがお客さんとしてよく来ていて、アンディも連れてきたこともあったらしくて。その当時のフジテレビの人たち、出世して偉い地位にいるみたいですけど、今でもその方たちと会うとフジテレビの番組『ノンストップ!』のLiLiCoじゃなく、アンディ・フグをフッたLiLiCoって言われるんですよ(笑)。アンディは何度も私に迫ってきたんですが、残念ながらタイプではなくて……。仕方ないですよね、こればっかりは。
DJ OSSHY アンディ・フグもK-1も、あの頃、全盛期だったもんね、でも、結局、人気実力絶頂のまま若くして亡くなられて……。これも平成の思い出だね。
LiLiCo 本当にそうですね。だから「ヴァーチャル・インサニティ」を聴くたびにアンディを思い出しますね。……え! かかと? 落とされてませんよ(笑)。[後編に続く]
対談進行・文/油納将志 写真/島田香
- ●LiLiCo(りりこ)
- 1970年11月16日生まれ。1970年スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日、1989年から芸能活動スタート。 TBS『王様のブランチ』に映画コメンテーターとして出演、フジテレビ『ノンストップ!』 J-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』など、出演番組も多数。アニメの声優やナレーション、女優などマルチに活躍する映画コメンテーター。2011年ネイルクイーン協会功労賞受賞、2013年ベストジーニスト協議会選出部門受賞などファッションにも意欲的に取り組み、バッグやジュエリーのデザイン、プロデュースも手掛ける。
LiLiCoオフィシャルHP
DJ OSSHY オフィシャルファンクラブ オープン!
DJ OSSHY 出演スケジュール
4月27日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00~18:00 生放送 |
4月28日(日) | GRAND COURT DISCO @ ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋 |
4月28日(日) | サンデーディスコ @ 西麻布エーライフ ※GRAND COURT DISCO出演のため、DJ OSSHYの出演はございません。 |
4月30日(火) | さらば平成!超(スーパー)バブルディスコ @ マハラジャ六本木 |
5月1日(水) | THE DISCO Classic × DISCO FEVER @ 日比谷ディアナ |
5月4日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00~18:00 生放送 |
5月5日(日) | surfers LIVE & DISCO 2019 Vol.1 |
5月10日(金) | RADIO DISCO NIGHT |
5月11日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00~18:00 生放送 |
5月12日(日) | アマネトリル LIVECollab2019 音の風向き#02 7-inch Record Release Party ゲスト出演いたします。(トークのみ) |
5月17日(金) | ナバーナマンスリーパーティー @ DiA tokyo |
5月18日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00~18:00 生放送 |
5月19日(日) | ディスコティック ルネッサンス @ 名古屋マハラジャ |
5月23日(木) | BSフジ「DJ OSSHY DISCO TV」 木曜の夜を名曲で彩るディスコ番組 |
5月24日(金) | ナバーナマンスリーパーティー @ エスプリトーキョー |
5月25日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00~18:00 生放送 |
5月26日(日) | サンデーディスコ @ 西麻布エーライフ |
イベントは変更になることもございます。 詳しくはDJ OSSHY公式サイト(www.osshy.com) をご参考ください。