ジャズメガネのセンチなジャズの旅
48. 渡辺香津美・アンド・ジェントル・ソウツ『マーメイド・ブールヴァード』
ジャズの演奏を始めることがまだ夢の夢だった1971年、そんなに年の頃が違わない渡辺香津美という17歳の少年がレコード・デビューした。その時すぐに音を聞けたわけではないが、スイング・ジャーナルのレビューを読んで愕然とした。そうそうたるメンバーと共にジョー・ヘンダーソンの曲などをやっている。自分との差を認識し、もう僕はジャズ・ミュージシャンにはなれないなぁ、と思ったものだった。
その後、大学生の時に合歓の郷で見たKYLIN BANDの衝撃を経て、新入社員時代に関わったTOCHIKA BANDの超絶なステージなど、いつも僕にとって驚愕のアーティストだった。
このアルバムは1970年代、フュージョン全盛時代に良く聴いた西海岸風のサウンド。今でも愛聴盤だ。
text & cut by Kozo Watanabe