DJ OSSHY TOKYOの未来に恋してる!
安心・安全・健康的なディスコ・カルチャーを伝達することを使命とするDJ OSSHYのインタビュー連載
第31回【対談⑥ レイ・パーカーJr. × DJ OSSHY[後編]】
「ゴーストバスターズ」は24トラックのテープを切って貼って長くして、なんとか曲にしたんだ。長くした分、歌詞が足りなくなったから、加えたけどね(レイ・パーカーJr.)
「ゴーストバスターズ」は全部生演奏だと思ってたら、ループだったんですね! それはまったくわからなかったです(DJ OSSHY)
──([前編]からの続き)レイさんは何度も日本に来られていますが、どんな印象をお持ちでしょうか。
DJ OSSHY 初来日の時はディスコに遊びに行ったりしましたか?
レイ・パーカーJr. 六本木の「PASHA」に行ったよ。あ、この街だね。
DJ OSSHY まさにサーファー・ディスコの人気店でした。
レイ・パーカーJr. なぜ、お店の名前をおぼえているかというと、その夜、ちょっとした事件が起こったからなんだ。俺は翌日もライヴがあったから早めに引き上げて、ホテルで寝たんだけど、バンドのメンバーたちは残って遊んでいた。フリードリンクだからと聞いて、みんな飲んで騒いで、最後にはドン・ペリニヨンまで開けたそうなんだよ。そうしたら、いざお店を出る時に「実はドン・ペリは無料じゃない!」ということがわかって(笑)。メンバーたちは困り果てたそうだよ。
一同 (爆笑)
DJ OSSHY そういう話は当時いっぱいありましたね(笑)。レイさん自身はお酒を飲まれるんですか?
レイ・パーカーJr. 酔いやすいタイプだから、そんなに飲む方じゃないね。ワインやウイスキーを少しだけ。キューバ産のシガーと一緒に楽しむくらいかな。初来日の時に六本木の「田舎家」に連れていってもらって、炉端焼きを食べながら、日本酒も飲んだんだ。美味しいからスイスイ飲んじゃって、そんなに飲んで大丈夫? って聞かれたんだけど、大丈夫、大丈夫! ってそのときは思っていたんだけど、最後にはもう自分で立てないくらい酔っ払ってしまって(笑)。ホテルまでかつがれて帰ったよ。
一同 (爆笑)
DJ OSSHY ところで、レイさんは音楽活動のスタートはギタリストでした。ヴォーカリストに転身するきっかけは何だったんですか?
レイ・パーカーJr. 色んなアーティストの作品でギターを弾いてきたんだけど、あるときママに「お前は一体どんな仕事ををやっているの? よくわからない」と言われて。バリー・ホワイトのアルバムでいくらギターを弾こうが、彼のアルバムだからママにはわかってもらえない。だったら、自分の顔をプリントしたジャケットで1枚作ったら納得してくれるはずだと思って、それで自分のレコードを初めて作ったんだ。マジな話だよ。
DJ OSSHY ええ! そうだったんですか。その前から歌がうまいと周りから言われたりしなかったんですか?
レイ・パーカーJr. いや、それまで歌ったことがなかったから、誰もそんなことは言わなかった(笑)。レディオで初めて歌ったんだ。だから、1枚目に比べると、どんどん歌がうまくなっていると思うよ。でも、1枚目の頃はまだギタリストとしてのマインドだったかな。マーヴィン・ゲイやスティーヴィー・ワンダー、ダイアナ・ロス、バリー・ホワイト、トム・ジョーンズ、カーペンターズとか、彼らのすばらしい作品にギタリストとして参加していたし、生計を立てていたのもギタリストととしてだから。
DJ OSSHY 歴史的なレコーディングにたくさん立ち会われていますよね。僕も大好きな「シェイク・イット・アップ・トゥナイト」を含むシェリル・リンの『イン・ザ・ナイト』(‘81年)も手がけていますし、ご自身の作品だけでなく、プロデュースされた作品も日本のディスコでは大人気でした。
DJ OSSHY監修・選曲『ディスコ・ラヴァーズ』
「シェイク・イット・アップ・トゥナイト」(シェリル・リン)ほか全108曲収録
レイ・パーカーJr. チャカ・カーンのルーファスの「ユー・ガット・ザ・ラヴ」がプロデュースした曲の最初のビッグ・ヒットだったね。ダンス・ミュージックとしてのヒットも多いけど、とにかくみんなをハッピーにする曲、笑顔になれる曲を作ろうと思ってやってきた。アイデアはどんなときでも浮かんでくるもので、例えば車に乗っているときとか、人の会話からも曲ができることがある。歌詞が先にできることが多いね。
DJ OSSHY ちなみに「ゴーストバスターズ」はどんなシチュエーションで生まれたんでしょうか? 世界中で大ヒットを記録した80年代を代表する曲ですが、実は日本のディスコではそんなに盛り上がってなかったんですよね。レイさんの曲でいちばん盛り上がっていたのは「パーティ・ナウ」なんです。同じくらい「スティル・イン・ザ・グルーヴ」も人気がありました。でも、あれだけヒットした「ゴーストバスターズ」はそこそこ盛り上がるかな、という状況だったんです。
レイ・パーカーJr. そうなんだ! 確かにほかの国でも違った曲が人気だったりすることがあるけど、「ゴーストバスターズ」はそれまでの自分のすべての曲をまとめても、それを上回る売り上げだったからね、やっぱり思い入れは深いよ。桁外れのモンスターヒットだからね。♪Who you gonna call? (Ghostbusters!) というフレーズがカジノのスロットマシーンに使われたり、Tシャツにプリントされたりと、そうした二次的なセールスもあって、すごいことになったんだ。
オリジナル・サウンドトラック
『ゴーストバスターズ』
1984年
DJ OSSHY それではキャリアのなかで楽曲自体も「ゴーストバスターズ」がいちばん納得されているのでしょうか?
レイ・パーカーJr. そうだね。あの曲はさらに俺にもたらしてくれたことがあるんだ。それはたくさんの人をハッピーにしたということ。その笑顔を見ることで、俺もハッピーになれる。7歳くらいの小さい子も俺のほかの曲は知らなくても「ゴーストバスターズ」は知ってる。学校とかに行くと「あ、“ゴーストバスターズ”のおじさんだ!」って喜んでくれるんだ。自分はどんどん年を取っていくけれど、いつの時代の子どもたちも「ゴーストバスターズ」を好きでいてくれる。そんな曲を作れたのは本当にかけがえのないことだと思うよ。でも、「ゴーストバスターズ」はリリースされる予定がなかった曲だったんだ。
DJ OSSHY え! どうしてですか?
レイ・パーカーJr. そもそも映画用に20秒使われる予定で作ったものだから、曲にはなっていなかった。1分25秒だけレコーディングして、そのうちの20秒が映画で流れることになっていたんだ。それで終わるはずだったのが、アイヴァン・ライトマン監督がフレーズを気に入ったもんだから、急きょ曲にすることになって。それから24トラックのテープを切って貼って長くして、なんとか曲にしたんだ。長くした分、歌詞が足りなくなったから、加えたけどね。だから、リクエストに応えて急場しのぎで生まれた曲だし、ヒットするなんてまったく思ってなかったんだよ。
DJ OSSHY 全部生演奏だと思ってたら、ループだったんですね! それはまったくわからなかったです。
レイ・パーカーJr. 演奏すべきだったんだろうけど、これはこれで良かったんだと思うよ。
レイ・パーカーJr.
『グレイテスト・ヒッツ』
2013年
DJ OSSHY 今日は憧れの人の色んな話を聞けて、本当に楽しかったです。最後にレイさんの今年チャレンジしたいことを聞かせてください。
レイ・パーカーJr. 実は俺のドキュメンタリー映画の製作が進行中なんだ。デトロイトで生まれ、公民権運動の最中に育ち、そのバックグランドに俺の音楽を使うということなんで、新曲を7、8曲作らなきゃいけない。そうそう、あと「ウーマン・ニーズ・ラヴ」をボーイズⅡメンがカヴァーするんだけど、それが主題歌になる予定なんだ。さらに2016年公開の『ゴーストバスターズ』に続く、新作も2020年夏に控えている。タイトルは『ゴーストバスターズ 3』になる予定だよ。その前の6月8日、9日に『ゴーストバスターズ』のファンを集めたイヴェントも開催されることが決まっていて、そこでライヴもやることになっている。とにかく今年は大忙しだよ。
DJ OSSHY すごいですね。お忙しい中、体調を崩さないように、また日本でその美声と演奏を聴かせてください。今日は本当にありがとうございました!
対談進行・文/油納将志 通訳/丸山京子 写真/島田香
取材協力/Billboard Live TOKYO http://www.billboard-live.com/
- ●Ray Parker Jr. レイ・パーカーJr.
- 1954年、デトロイト生まれ。幼い頃から地元モータウン・レコードのセッションに参加するほどのギターの腕前を見込まれ、17才の時にスティーヴィー・ワンダーやアレサ・フランクリンのバック・バンドに抜擢される。1977年には自身のグループ、レイディオを結成。レイ・パーカーJr.&レイディオを名義で「ジャック&ジル」「ウーマン・ニーズ・ラヴ」などヒットを量産。魅惑のカッティング・ギターとグルーヴで新旧ファンを虜にしている。映画『ゴーストバスターズ』シリーズ(’84年~)の同名主題歌は世界で最も知られたサントラヒットのひとつ。
DJ OSSHY オフィシャルファンクラブ オープン!
DJ OSSHY 出演スケジュール
3月9日(土) | DJ OSSHY オフィシャルファンクラブ オープン http://www.osshy.com/schedule/view/801 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00~18:00 生放送 TOKYO MX「ミュージック★モア」出演 |
3月15日(金) | ナバーナマンスリーパーティー @ DiA tokyo |
3月16日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00~18:00 生放送 |
3月20日(水) | 909 Yamanashi DISCO Fever @ 山梨 KOFU SPACE 101 http://www.osshy.com/schedule/view/784 |
3月23日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00~18:00 生放送 アンバサダー就任 トーキョー・ディスコティック http://www.osshy.com/schedule/view/698 |
3月24日(日) | アンバサダー就任 コーベ・ディスコティック http://www.osshy.com/schedule/view/699 |
3月30日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00~18:00 生放送 |
3月31日(日) | サンデーディスコ @ 西麻布エーライフ |
イベントは変更になることもございます。 詳しくはDJ OSSHY公式サイト(www.osshy.com) をご参考ください。