ジャズメガネのセンチなジャズの旅
37. ボビー・ハッチャーソン『ウン・ポコ・ロコ』
ボビー・ハッチャーソンの想い出は2つ。一つはエリック・ドルフィーの「アウト・トゥ・ランチ」を聞いた時に感じた硬質で北の果てのような金属音の芸術。それはドルフィーのインパクトを超えていたかもしれない。あのサウンドはボビー・ハッチャーソンなくしては成り立たない。
そして、もう一つは彼のオリジナルの〈Little B’s Poem〉。渡辺貞夫さんがよくやっていたので貞夫さんのオリジナルかと思っていた。ボビー・ハッチャーソンのオリジナルというのは程なく分かったが、リリカルな曲で学生時代、自分のバンドの重要なレパートリーでもあった。現在でも演奏している。やはりボビー・ハッチャーソンもジャズ界のレジェンドなのだ。
text & cut by Kozo Watanabe