ジャズメガネのセンチなジャズの旅
36. マイルス・デイビス&ジョン・コルトレーン『ザ・ファイナル・ツアー ブートレグ・シリーズVol.6』
マイルスのレコードを初めて買ったのは、中学1年生の時。お金がないのでEP盤の「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」だった。A面がタイトル曲1曲でB面が「フラン・ダンス/星影のステラ」。本当はLPが欲しかったからちょっと寂しい気分だったが、解説を読むとまだLPに収録されていなくて、このEP盤でしか手に入らないとのこと。なんだか誇らしい気持ちになったのを覚えている。タイトル曲のベースのペダル音(勿論、当時はそんな用語は知らない)に乗ったミュート・トラムペットとビル・エヴァンスのブロック・コードを使ったソロがなんてカッコいいんだろうと繰り返し聞いたものだ。
まだ丸刈りだった1969年の頃。あれから「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」はアルバム「1958マイルス」に収録され、このライブ盤にも収録されることになる。
text & cut by Kozo Watanabe