ジャズメガネのセンチなジャズの旅

35.トゥーツ・シールマンス『シェ・トゥーツ~思い出のフレンチ、そしてジャズ』
35.トゥーツ・シールマンス『シェ・トゥーツ~思い出のフレンチ、そしてジャズ』

  トゥーツさんとは一度仕事をしたことがある。1985年に高倉健さんの映画「夜叉」のサントラを制作した時に全編演奏をお願いした。ハーモニカは勿論、まだ、ギターと口笛の演奏もしていた頃で、その演奏が特に印象に強く残っている。ハーモニカ同様暖かなプレイで軽やかだったが、成田にタクシーで送って行く時に、「年齢的に弱っていて、もうギターは弾かないだろう」と言った。まだ、60代だったと思うが、体が弱っていたのだろう。その後、元気を取り戻し、何度も来日したが、多分、ギターは弾かなかったのではないか。が、ハーモニカで最後まで長い間、夢心地な演奏を届けてくれた。今でもあの笑顔を思い出す。。


text & cut by Kozo Watanabe