ジャズメガネのセンチなジャズの旅
33.「ドラゴン・ガーデン/ティー&カンパニー」1977年録音
Tee&Company。TBMの中でもレアなアルバムだろう。プロデューサーの藤井さんが組んだプロジェクトで実験的で意欲的なジャズにトライして3枚のアルバムを作った。僕は発売当時にはこのアルバムの存在すら知らなかった。主役のアーティストを特定していなかったからだろう。ただ、ここで活躍する森剣治さんは和田直さんの「ココズ・ブルース」でのプレイで早くから気に入っていた。エリック・ドルフィーを彷彿とさせるアルト、フルートとバス・クラリネットの幻想的な奏法は世界水準の技術と感性だ。このアルバムでは特にドルフィー感が強い。ただ、真似している訳ではなく、日本人の持つ感性がドルフィーと共通していることもあるのだろう。21世紀も大分経ってから知った日本のジャズの一枚だ。
text & cut by Kozo Watanabe