ジャズメガネのセンチなジャズの旅
32.「ザ・ビッグ4/ジョージ川口とビッグ4」1976年録音
戦後の日本のジャズに想いを馳せることがある。まだ、焼け跡が残りながらも復興していく街の中にモダン・ジャズが入りこんでくる。音楽家たちは夢中になり、米軍キャンプやキャバレーの仕事がはけてから、深夜モダン・ジャズの研究に励んだ。そんなドキュメントが「幻のモカンボ・セッション」だった。一方、日劇を中心に華やかなショーが催され、「ジョージ川口とビッグ・フォー」が大スターになっていく。
そんな時代は体験はしていないので、ビッグ4の全盛時代は知らない。ただ、高校生の時、地元の市民会館で松本英彦さんを聞いたことがある。声を出しながら吹くフルートによる「月曜日のサンバ」が忘れられない。スターの演奏には華があったのだ。
text & cut by Kozo Watanabe