DJ OSSHY TOKYOの未来に恋してる!
安心・安全・健康的なディスコ・カルチャーを伝達することを使命とするDJ OSSHYのインタビュー連載
第17回 【DJとは……<後編>】
レコードやCDは同じストーリーをいつでも再生できますよね。ところがディスコでは、毎回ミックスの仕方、ミキシングの仕方、曲の小節をちょっとずつ変えるので、二度と同じ時間、空気は作れないんです。「音楽料理人」と言っているのはそういう事なんです。
── (<前編>からの続き)一曲たりとも、軽々しい気持ちで流さず、プライドと自信を持って選曲するという事ですよね。
OSSHY そうです。DJたる者、そういう気持ちで臨まなければ務まりません。ディスコDJのアマチュアとプロ、キャリアのある人とそうじゃない人との違いは、選曲のセンスも大切ですが、圧倒的に現場対応力です。トラブル処理の仕方です。現場では、想定していなかった事が必ず起こります。その時にどれだけ修正していくか、そのアドリブ力のような部分が、キャリアがあるかないかの一番の違いだと思うし、一番大切な部分だと思います。これは自分が35年間ディスコDJをやってきて、現場で大きなトラブルを何度も経験してきたからこそ言えることです。色々な失敗をどれだけ経験し、それをちゃんと糧にできるかという事です。よくあるのは、iPod、iPadにプレイリストを作り、現場に持ち込んで、いざプレイすると、一曲目からもう想定外のノリの悪さだった時、さてどうするか?
── まさかの1曲目からの反応の悪さ(笑)。
OSSHY その時に素人だと、ノリは気にせずとにかく作ってきたプレイリストを流し続ける。自宅で気合を入れ、その十何曲を、気持ちよくきれいにミックスして仕上げて本番に臨むので、それを流すしかない。でも何曲流してもノリが悪いと、修正できないまま終わってしまって、お客さんも消化不良で帰ってしまう。それがアマチュアというか、やっぱりベテランになると、当然十数曲選曲していって、でも1曲目のお客さんの反応を見て、プレイリストを全部変えます。それくらいのアドリブ力が必要です。
写真提供:エス・オー・プロモーション
── 現場の、フロアの空気を読む力は経験でしか培う事ができないものですね。
OSSHY そうなんです。その日の天気、その日の世の中のトピックス、お客さんの顔ぶれ、ノリからできあがる空気……総合的な空気、ノリを瞬時に嗅ぎ取らなければいけません。
── お客さんの顔ぶれ、常連が多いとかご新規さんが多いとか、年齢層とかで、空気は変わってきますよね。
OSSHY 蓋を開けたら知り合いばかりとか、全員ご新規さんとか、そういう色々な状況で選曲も変わってくるというか。ユーロ系が好きな人が多いな、とか、ファンク系の方が盛り上がるなあ、とか。例えば常連さんが多い時は、定番曲よりもちょっと捻った曲を多めにしてあげるのも、常連さんに対するサービスです。ご新規さんが多いなと思ったら、逆に定番曲を多くしたり。やっぱり初めて来ましたとか、何年かぶりにディスコに来ました、という人が多い時は、聴き慣れている曲がいいですね。
写真提供:エス・オー・プロモーション
爆音で、ディスコの会場で「レッツ・グルーヴ」を聴くというのは、やっぱりいいんですよ。いいディスコDJの基準は、お客さんをどれだけ踊らせるかという事は、前回も言いましたが、どんなにかっこいい選曲をしたと思っていても、お客さんが踊ってくれなければダメなんです。ノリが悪ければ選曲をチェンジして、修正して、そこからまたドラマを作っていかなければいけません。自分なりに起承転結を作らなければいけない。最初の掴みから入って、でも一本調子だとお客さんも飽きるので、お客さんの表情をよく見ながら、押し引きではないですが、ちょっとブレイクタイムを作って、「今ですよ、トイレタイムは~」みたいな話を入れたり。
それでまた徐々に盛り上げて、最後は「君の瞳に恋してる」や「セプテンバー」で大団円、という感じで起承転結を考えます。DJは、クラシックのコンサートでのオーケストラの指揮者の様な役割かもしれませんね。指揮者次第で、音との盛り上がり方、うねり方が全然変わってきます。それと同じように、ディスコDJも、その会場をコントロールできるコンダクターなんです。それが魅力のひとつだと思っています。
写真提供:エス・オー・プロモーション
── お客さんも、どれだけノセてくれるんだろう、気持ちよくさせてくれるんだろうって楽しみしながら、会場に足を運ぶんですよね。
OSSHY そうです。お客さんが主役です。踊ってストレスを発散したり、非日常を感じてもらったり。昔のお立ち台なんてその最たるものだと思います。最近はフェスに出るスターDJを見に来るというお客さんが、若い方には多いみたいですね。それもお客さんの楽しみ方なのでいいと思いますが、やっぱりディスコは思い思いに自分の楽しみ方で遊ぶ場所。自分が主役で、みんなで同じ踊りで一体感を楽しむのもいいですし。一人で楽しみたい時もあると思いますし、自分でコントロールすればいいんです。その全てを統括するのがDJの役割という事です。なので、ある意味すごく魅力的な仕事でもあり、大変な役どころでもあるという認識を、ディスコDJを目指す若者達には、しっかりわかって欲しいです。お客さんの時間をいただくわけですから、責任重大なんです。そういう事を認識して臨まないと、シーン全体がブームで終わってしまいます。
── 本当にライヴと同じというか、ライヴそのものですよね?
OSSHY そうなんです。常に生、ライヴです。だから一回たりとも同じ時間を作る事はできないんです。レコードやCDは同じストーリーをいつでも再生できますよね。ところがディスコでは、毎回ミックスの仕方、ミキシングの仕方、曲の小節をちょっとずつ変えるので、二度と同じ時間、空気は作れない。私がディスコDJの事を、「音楽料理人」と言っているのはそういう事なんです。
インタビュー・文/田中久勝
DJ OSSHY 出演スケジュール
12月27日(水) | We♥(love)80’s Disco @ グランドハイアット東京 |
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12月28日(木) | DJ ATOM Presents! 年末スペシャル “DJ リレー 2017” @ CLUB SIX TOKYO |
12月30日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00-18:00 生放送 |
12月31日(日) | DJ OSSHY presents カウントダウン@横浜ロイヤルパークホテル |
1月3日(水) | 「CIRCLE OF MUSIC」FM COCOLO 24:00-25:00 2週連続ゲスト出演 |
1月5日(金) | ナバーナマンスリーパーティー@nishiazabu alife |
1月6日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00-18:00 生放送 |
1月10日(水) | 「CIRCLE OF MUSIC」FM COCOLO 24:00-25:00 2週連続ゲスト出演 |
1月12日(金) | “スーパー・スカイツリー・ディスコ”オープニングセレモニー出演 &DJプレー |
1月13日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00-18:00 生放送 |
1月19日(金) | ナバーナマンスリーパーティー@ESPRIT TOKYO |
1月20日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00-18:00 生放送 |
1月24日(水) | K-mix「おひるま協同組合」ゲスト生出演 |
1月24日(水) | 静岡第一テレビ「まるごと」ゲスト生出演 |
1月27日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00-18:00 生放送 |
1月28日(日) | サンデーディスコ@nishiazabu alife |
1月31日(水) | Dynasty Tokyo Surfer's Night @ 恵比寿act*square |
イベントは変更になることもございます。 詳しくはDJ OSSHY公式サイト(www.osshy.com) をご参考ください。