ジャズメガネのセンチなジャズの旅
27.「グリーン・キャタピラー/今田勝トリオ+2」1975年録音
僕の"今田勝"歴は長い。高校生の時、暖かな日曜日の午後に初めて聞いたソロ・ピアノ「ポピー」。そして、寒い冬に名前も知らなかった戸谷重子のアルバムで聞いた歌伴。どれもが暖かいタッチでスウィングしていた。高校2年の夏、日比谷野音のサマー・ジャズで聞いた時はアフロ・ヘアーだった。その後、フュージョン時代を経て、近年は横浜ジャズ・プロムナードで聞くことも多い。このアルバム、発売当時は知らなかったが、今聞いてもグルーヴしている。CTI的なサウンド。このピアノ・トリオが戸谷重子の歌伴をしていたトリオだと知って驚いた。当時の人は何でも出来たのだなぁ、と感心してしまう。
昨年、あるフランス人が、このアルバムをフランスでレコードにして売りたいのでライセンスして欲しいと突然会社にやって来た。ユーチューブで見つけて感動したとのこと。ジャズには国境はない。ジャズな人がいるだけだ。
text & cut by Kozo Watanabe