DJ OSSHY TOKYOの未来に恋してる!
安心・安全・健康的なディスコ・カルチャーを伝達することを使命とするDJ OSSHYのインタビュー連載
PC画面とにらめっこしているんじゃなくて、「ディスコDJたるもの客を見ろ!」っていつも思っています。やっぱり僕らの原点はそこですから。
── DJに欠かせないのが、機材だと思いますが、どんどん進化していき、コンパクトになり、それが一億総DJ時代と言われる大きな要因ですよね。
OSSHY そうです。ただ僕は、この機材の変遷とともにディスコDJとして、ディスコDJの使命というテーマに結び付くと思っていて。これからディスコDJ、クラブDJを目指そうとしている人に言いたい事があるので、それは機材の話の後にしますね。
最初のDJは、いわゆるゴーゴーバー、ダンスホールみたいなところに登場しました。一台のプレイヤーでアルバムをずっと聴かせて、70年代後半くらいになるとプレイヤー2台とミキサーが登場します。これで曲をスムーズにスイッチングできるようになりました。ミキサーにはイコライジング機能がついていてハイ、ミッド、ローでレコードによって音質が違うものを、均一化していました。
その次に登場したのがクロスフェーダーという機能です。それまではAのターンテーブルとBのターンテーブルの間にミキサーがあって、Aのターンテーブルの音が外に出ている時には、Aのフェーダーが上がっていてBは下がっています。その逆とフェードイン、フェードアウトを繰り返していました。でもクロスフェーダーというのは、AとB両方のプレイヤーの音を上げた状態で、下で切り替えます。80年代後半~90年にいわゆるクラブカルチャーが出てきて、ヒップホップが人気になりました。スクラッチがすごくもてはやされる様になって、スクラッチDJ御用達の機材のターンテーブルも、ピッチコントローラーと呼ばれる、テンポが変えられるものが登場します。なおかつ、今まではレコード盤だけでやっていたプレイヤー=DJが、CDを使ってプレイするCDJになって。
写真提供:エス・オー・プロモーション
── レコードからCDに代わると機材も大きく変わってきますよね。
OSSHY そうですね、メディアが変わると単純に再生機が変わって、レコードとCDが共存する時代になりました。それが90年代後半で、2004~2005年頃になると今度はPCDJが登場します。それで今に至っているわけです。それまでのようにダンボールに入れてレコード盤を運んだり、CDを持ち歩いていましたが、今は一台のパソコンの中に何百万曲も入っています。プレイリストからドラックアンドドロップで曲を選ぶようになりました。機材もパソコン一台になって身軽になったからこそ、色々な所で、いつでもどこでもディスコができるようになりました。さらに今はUSBDJが多いです。メディアがもうCDでもアナログでもない、USBなんです。USBをプレイヤーの中に差し込んで、液晶画面で曲をクリックしてそれをかける。海外から来るセレブDJはほとんどがそうですよね。
── まさに技術革新ですね。
OSSHY 信じられないですよ。この前お話した、ジェリー・ビーンもUSBでプレイしていて、「PCではやらないんですか?」って聞いたら、「いやPCではやらない。やっぱりオーディエンスと一緒に感じたいんだ」と言っていて。それで、やっぱりそうなんだと思ったのが、今若い人にはPCDJをやっている人が多くて、そうすると、PCの画面に、曲のデータ、進行状況、音の波形とかも出るので、画面とにらめっこしているんですよ。
── なるほど。お客さんと一緒に楽しんでいない、と。
OSSHY そうなんです。お客さんを見ないでPCの画面を見ながらDJをやっているんですよ。それで僕は「ディスコDJたるもの客を見ろ!」といつも言っていて。やっぱり原点はそこなんです。お客さんの顔色、反応、いいと思ってかけた曲がウケない、お客さんは本当はこの曲を求めているんじゃないかとか、そういうキャッチボールをお客さんとしながら、ディスコDJはみんなやってきました。お客さんに気持ちよく踊ってもらう事が仕事なんです。
写真提供:エス・オー・プロモーション
── PCではセットリストを臨機応変にチェンジできないんですか?
OSSHY できます。できるんですけど、繋ぐ事にすごく神経を注いで、波形を気にしているんです。それとヘッドフォンを使わない時代にもなっていて、波形だけ見てつなげているんです。
── なるほど。
OSSHY もうレコーディングスタジオで作業をやっている感じです。若い人達は、つなぎがズレないように、つなぎ目ばかり波形で見ています。でも昔は波形なんて見られないから自分の耳だけが頼りで、耳で送ったり戻したりという作業をやりながら、その時にお客さんの様子を見ながらやるんです。そのニュアンスが、今の若者達には欠けていると思う。
── 機材がコンパクトになるのは、ディスコがどこででも楽しめるという反面、DJの面白みが半減してしまっているという事ですよね。
OSSHY そうですね。機材の変遷でいうと今はもうプレイヤーが2つとミキサーが一体になったものがもう主流になりつつあります。本当にコンパクトで、手軽にどこにも持っていけます。ちょっとしたホームパーティーとか、BBQとかで、ちょっと音楽でもつなごうか、という時にはピッタリです。この前も認知症患者さん達がいる老人ホームでディスコ体操的なイベントをやって、盛り上がりました。どこでもディスコというのはそういう事だと思います。会議室、船の中、ホテル他、小さなスピーカーだけ用意してもらえればできてしまう。小さくても今は音質もいいですし、十分なクオリティです。
── 機材は使いやすくなりましたが、そうなると余計にお客さん、相手とのコミュニケーションが重要になりますよね。
OSSHY 誰でも自分でDJと言ってしまえば、DJになれる時代です。そこでDJの使命、DJとは何なんだという事を、考えて欲しいですね。すごいテクニックの持ち主も出てきて、DJの世界チャンピオンみたいな人が出現するのは、いい事だと思いますが、そこで本来のDJの役割って何だろうという事を、僕らの現役世代が後輩や、DJを目指す人に向けてどんどん言っていかなければいけないと感じています。次回はDJの定義、DJの使命について、詳しくお話したいと思います。
インタビュー・文/田中久勝
DJ OSSHY 出演スケジュール
10月25日(水) | Dynasty Tokyo Surfer's Night@恵比寿act*square |
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10月28日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 14:00-17:00 生放送 |
10月29日(日) | FamilyThinkPark Disco!!@ThinkPark Plaza 送 |
11月02日(木) | ナバーナマンスリーパーティー@DiA tokyo |
11月04日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00-18:00 生放送 |
11月05日(日) | 最新CD「Blue. meets ISLAND CAFE SURF DISCO mixed by DJ OSSHY」 リリースパーティー@材木座テラス |
11月10日(金) | XEX TOKYO & 大丸東京創業 10th Anniversary【DISCO XEX Vol.2】 @ XEX TOKYO 大丸東京デパート13階 |
11月11日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00-18:00 生放送 |
11月17日(金) | ナバーナマンスリーパーティー@ESPRIT TOKYO |
11月18日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 15:00-18:00 生放送 |
イベントは変更になることもございます。 詳しくは
DJ OSSHY公式サイト(www.osshy.com) をご参考ください。