DJ OSSHY TOKYOの未来に恋してる!
安心・安全・健康的なディスコ・カルチャーを伝達することを使命とするDJ OSSHYのインタビュー連載
ナイルが発するサウンドはその目立ち方に品がある。自分が目指すディスコDJスタイルとすごく似ているんです。
── OSSHYさんは昨日行われた(取材日9月21日)、デュラン・デュランの日本武道館公演に行かれたとお聞きしましたが、いかがでしたか?
OSSHY はい、きちんと批評できるように、ちゃんと1万6500円のチケットを買って観てきました(笑)。前座がシックfeat.ナイル・ロジャースというかなり贅沢な2部構成で、シックのライヴがあまりにも良くて、その時点でチケット代の元は取れていました(笑)。正直、メインのデュラン・デュランのステージを凌駕してしまうほどの素晴らしい内容でした。
シック
『エレガント・シック』(1978年)
── では今回は、そんな興奮冷めやらぬ中、今もなお現役で、若手アーティストからもリスペクトされているナイル・ロジャースについて、色々と教えていただけますか? プロデューサーとしてミュージシャンとして、その魅力を教えて下さい。あのギターのカッティングは健在でしたか?
OSSHY 改めてナイルのあのギターのカッティングの音色は、彼にしか出せないと思いました。とにかく演奏力が凄い。デュラン・デュランは打ち込み中心のロックバンド、シックはファンクなロックバンドという差もありましたが、そのバンド力の高さ、音圧の違いは圧巻でした。シックはフルバンドで、みんな腕利きのミュージシャンなので、むちゃくちゃいいグルーヴが出ていました。ボーカルのキンバリー・デイヴィスとフォラミの歌声も抜群で、メドレーではマドンナ「ライク・ア・ヴァージン」、デヴィッド・ボウイ「レッツ・ダンス」、ダフト・パンク「ゲット・ラッキー」など、ナイルがプロデュースを手掛けた、誰もが知っているヒット曲のオンパレードで、エンタテインメント性溢れるステージでした。
デュラン・デュラン
『ザ・シングルズ81-85』(2017年)
「ザ・リフレックス(7’’ヴァージョン)」ほか40曲収録。
── デュラン・デュランのヒット曲「ザ・リフレックス」は、ナイル・ロジャースのミックスをリカットして、オリジナルよりもそっちの方が世界的ヒットになったんですよね?
OSSHY そうなんです。あのヴァージョンが世の中で受け入れられて、だからオリジナルを聴くと、あれ? なんか違うと思ってしまうという(笑)。今も現役で大活躍しているナイルを本当に尊敬していて、私はDJですが、DJとしてナイル・ロジャース的な生き方をしたいといつも思っていて。立場は違えど、ずっと現役で、しかも最前線、第一線で活動し続ける、という部分はすごく似ていると思っています。ナイル・ロジャースのヒストリー的な本を読むと、彼は決して最初から認められた人ではないんです。常に偏見にさらされて、認められなかった人でした。黒人のディスコ・ミュージックが認められたのは、黒人のプロデューサー、ミュージシャンが白人の音楽を手がけるようになってからです。前々回のジェリービーンもそうでしたけど、白人至上主義の音楽マーケットの中で、ナイルが注目を集めるようになったのは、マドンナやデヴィッド・ボウイ、デュラン・デュランのようなアーティストを手がけるようになってからです。それでも当時は相当バッシングを受けていたようです。
デヴィッド・ボウイ
『レッツ・ダンス』(1983年)
── その後はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、あらゆるアーティストを手がけてきました。
OSSHY 本当にそうですよね。ダフト・パンクやマーク・ロンソン、ブルーノ・マーズといった、今のクラブミュージックのアーティストから、フィーチャリングアーティストとして必ずと言っていいほど名前が挙がっています。プロデュースも手がければ、フィーチャリングギターもやります。DJキャシディーのようなセレブアーティスト達も、ナイルのギターを入れたいと真っ先に声をかけるようです。ナイルがシック時代に作っていた楽曲を聴いて育った人達が、そういう質感を今も求めていると思います。ブギーサウンドと呼ばれている音楽の、ある意味生みの親であり、代表的なギタリストです。先ほど私はDJ界のナイル・ロジャースを目指すという話をしましたが、それはナイル自身がパフォーマーとして表に出過ぎないところもよくて。リード、ソロギターを弾かない、カッティングオンリーのカッティング職人なんです。そういう部分が、すごく控えめで品があると思います。
ダフト・パンク
『ランダム・アクセス・メモリーズ』(2013年)
── 控えめながら、音では一番目立っているんですけどね。
OSSHY そうなんです! 目立ち方に品がある。そこが、自分のディスコDJスタイルの目指すところとすごく似ていて。ナイルに似ているなんて言うと、おこがましいとは思いますが、自分の目指しているスタイルがそこにあるんです。僕はディスコDJを始めた時は特に目立つ存在ではなく、先輩スターDJの中で4~5番手くらいのポジションでした。スタープレイヤーでなかったのですが、長く続けてきた事で、今色々な方から声を掛けていただけるようになって、セッション、フィーチャリングというお仕事が多いと思っていて。親子2代、3代で僕のファンでいて下さる方もいます。若い方達からも声がかかって、一緒に親子ディスコをやったり、そういう存在でいられるという事は、ナイルの生き方にすごく近いなと思っています。
── その活動のバイタリティがOSSHYさんと共通する部分ですね。
OSSHY もちろんキャリア30年、40年を経てもなお現役というプロデューサー、アーティストはたくさんいますが、その最前線、第一線で活躍し、常にトップアーティストとコラボしている人となると、ほとんどいません。プロデューサーでいうと、ナイルと、ジョルジオ・モロダー、セローンくらいではないでしょうか?ドイツ人のジョルジオ・モロダーは、ユーロビートというかユーロ・ディスコの立役者で、セローンはフレンチ・ディスコの立役者で、みんな70代になってもなお現役で、制作意欲が衰えないのは素晴らしいですね。そして常に最先端の音楽を意識しているところは尊敬できます。伝説のプロデューサー、クインシー・ジョーンズも忘れてはいけません。クインシーは今84歳で、活動の状況をチェックしてみると、なんと今でも10本の映画、6枚のアルバム、4つのブロードウェイ・ショー、さらにクラブやレストランを現在もプロデュース・制作しているらしいです。84歳でこのバイタリティは、ただただ尊敬します。
シック
「I’ll Be There(feat.Nile Rodgers)」
── でもヒットチャートで、常に上位にランクインするものを今も作り続けているのは、ナイル・ロジャースですよね。
OSSHY そうですね、手掛けているものがワールドワイドでヒットをし、今もトップを走っているのはナイルしかいないと思います。だからメインストリームでずっと活躍できるよう、自分のDJスタイルも常にナイルを意識していきたいと思います。
インタビュー・文/田中久勝
DJ OSSHY 出演スケジュール
10月10日(火) | 錦糸町Disco BUZZ ゲスト出演 |
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10月13日(金) | NHKラジオ第1「ミュージック・グラフィティー」ゲスト生出演(全国生放送) |
10月14日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 14:00-17:00 生放送 |
10月20日(金) | ナバーナマンスリーパーティー@nishiazabu alife |
10月21日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 14:00-17:00 生放送 |
10月22日(日) | DISCO STUDIUM -CRAGE SUNDAY NIGHT FEVER-@CRAGE ゲスト出演 |
10月25日(水) | Dynasty Tokyo Surfer's Night@恵比寿act*square |
10月28日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 14:00-17:00 生放送 |
10月29日(日) | FamilyThinkPark Disco!!@ThinkPark Plaza送 |
11月02日(木) | ナバーナマンスリーパーティー@DiA tokyo |
11月04日(土) | 「RADIO DISCO」InterFM897 14:00-17:00 生放送 |
11月05日(日) | 最新CD「Blue. meets ISLAND CAFE SURF DISCO mixed by DJ OSSHY」リリースパーティー@材木座テラス |
イベントは変更になることもございます。 詳しくは
DJ OSSHY公式サイト(www.osshy.com) をご参考ください。