ジャズメガネのセンチなジャズの旅

24.「フリー・フォーム組曲/高柳昌行とニュー・ディレクョン・フォー・ジ・アーツ」1972年録音
24.「フリー・フォーム組曲/高柳昌行とニュー・ディレクョン・フォー・ジ・アーツ」1972年録音

  高柳昌行さんを初めて聞いたのは高校生の時、渡辺貞夫さんのアルバム、「Sadao Watanabe」を買った時。パーカー派だった貞夫さんがアフリカに根ざしたサウンドに方向を切り替えた頃に録音されたもので、そこに高柳さんが参加していた。ノイズギターが貞夫さんのソロを縫う過激さが衝撃的だった。2人は戦後、ジャズの勉強をよく一緒にしていた盟友だった。スタイルは違うが心は通じ合っていたのだろう。その後、高柳さんの名前はスイングジャーナル誌の誌面で過激な討論を繰り返していたことで印象に残っている。あくまで音楽追求に真摯な方だった。


text & cut by Kozo Watanabe