ジャズメガネのセンチなジャズの旅
23.「ファイン・アンド・メロー/戸谷重子」1973年録音
僕が高校時代TBMのアピール力は凄かった。地元のすみや本店で新譜が出る度に宣伝していたから、ジャズ初心者の僕としては欲しいジャズ・ジャイアンツのLPがたくさんあったのにも関わらず、なぜかその前にTBMのレコードに手にする。その中で一番後悔したのが、戸谷重子の1st アルバム。まずヴォーカル物に興味がないのに、何故か買ってしまったのだ。ジャケに惹かれたのか?そして針を落として驚いた。エラのようでもサラのようでもない。真っ直ぐな声と普通にスウィングしない唱法。一枚分、損したと気落ちした。しかし、その後、そのユニークな唱法が癖になり、今でも聞き続ける愛聴盤になってしまった。。「縁は異なもの」だ。
text & cut by Kozo Watanabe