ジャズメガネのセンチなジャズの旅
22.「北欧組曲/三木敏悟、高橋達也と東京ユニオン」1977年録音
中学生の時から、コンボ のモダンジャズしか聞かなかった僕は今に至るまでビッグバンド・ジャズに興味があるというタイプではない。気性というか、人と歩調を合わせる事が元来苦手なのだ。気ままな時間に決まりのない方法でジャズをやりたいといつも思っていた。だから、多くのビッグ・バンドの良さは知らないまま。この北欧組曲も例外ではなく、発売当時、僕の琴線には触れなかったが、唯一そのジャケットのアート・ワークには魅せられていた。シュールで色合いも綺麗。どんな音がするのだろう、と心の奥で思いつつも、ついに聞かず終い。聞いたのは随分後のことだ。
素晴らしかった。時間がかかる出会いというのもまた良いものだ。
text & cut by Kozo Watanabe