ジャズメガネのセンチなジャズの旅
日野皓正。初めて聞いたのは1960年代終わり、TBSの朝の番組「ヤング720」。なんてカッコいいんだろうと思いながら学校に行った記憶が。
それ以来、中学生の時も高校生の時もずっと日野さんを追いかけていた。タクト・レーベルから出た「ハイノロジー」のシングル盤は中学生の時にすぐに買ったし、その後の「ベルリン・ジャズ・フェスティバルの日野皓正」での「オード・トゥ・ワークマン」の日野さんの鋭いプレー、植松孝夫の豪放なテナーのトーン、杉本喜代志の激昂するギターには興奮したものだった。
続く「藤」やCBS/SONYでの益田幹夫が参加した「ジャーニー・イントゥ・マイ・マインド」と「イントゥ・エターニティー」にも熱くなったものだ。
高校生の時にはピットインに並んで宮田英夫がテナーで参加していたクインテットを聞いた。体を弓なりにそらして限界までトランペットを奏でる日野さん。時代の寵児だったが、それを振り切るように沼津に移住していた日野さんはトランペット・ソロやドラムとのデュオなど、厳しい演奏スタイルに変化し、その頃、静岡でみたコンサートもソロだった。
そして、渡米。フュージョンの大ヒットを経て、ブルーノート・レーベルとも契約。その後2000年にはSMEに戻ってくることになる。そして、縁あって僕がプロデュースを務めることになった。N.Y.や上海での録音。プーさんとのデュオ。思い出は尽きることがない。
日野さんは僕のアイドルにして、人生の師匠なのだ。
text & cut by Kozo Watanabe