ジャズメガネのセンチなジャズの旅
6.「ゴー・オン/ ジョージ大塚」1972年録音
昭和47年〜48年、僕が高校生だった頃、渡辺貞夫5、日野皓正5、山下洋輔3と並んでの人気コンボがジョージ大塚5だった。端正でいて熱い、日野を追う一番手だった大野俊三(tp)とウェイン・ショーター・テイストの山口真文(ts)をフロントに、ハード・パップの熱さとモード・ジャズのクールさを併せ持つ新主流派的クインテットはきらきらと輝いていた。ジョージさんのドラムスはトニー・ウィリアムスのように派手でソロイストを終始鼓舞する。
新宿ピットインでライヴも見たなぁ。ピアノの大徳俊幸は、その頃、静岡出身の松風鉱一のグループに参加、僕の地元、静岡にもよく来ていたのでなんだか身近な存在だったが、彼が弾くフェンダー・ローズには心躍ったものだ。
大学でジャズ研に入るとジョージさんの弟子のドラマーが多くいて、このアルバムからゴー・オンなどにトライしたこともある。大野俊三にはTBMではないが、ビクターに「フォルター・アウト」という素晴らしいアルバムがある。それもその時代では忘れられない一枚だ。
text & cut by Kozo Watanabe