ジャズメガネのセンチなジャズの旅
3.「ポピー/今田勝ソロ&トリオ」 1973年録音
春の夢なんてロマンティックな言葉は考えつきもしなかったんだろうけど、17才の春、日曜日の午後にこのアルバムを聴いてまどろんだ憶えがある。
今田勝のソロ・ピアノのA面、柔らかなタッチと空気感のある録音。西陽が眩しいニ階の部屋のオレンジ色の空気に音が溶けていく。
<ミスティ>のテンポは眠りにつこうとする心臓の鼓動に重なる。
そんな印象が強い「ポピー」。
初めて聞いた時の印象は強く記憶に残り、今も僕を春の夢に誘う。
text & cut by Kozo Watanabe