放送後記 from 能地祐子
これまで銀次さんがギタリスト、アレンジャー、プロデューサー、そしてソロ・アーティストとして関わってきた様々な方たち。我々リスナーも、その作品やステージでのパフォーマンスやインタビュー記事などを通して「銀次さんとは気心知れた間柄なんだなぁ」ということは知っていたりするのですが。実際にご本人どうしがお話をするところを見る機会は滅多にないわけです。この番組で銀次さんとゲストが楽しげに語り合う様子を横で眺めながら、言葉の端々に長い友情あってこその深みを感じたり、ちょっとしたひと言から相手への深いリスペクトが伝わってきたり…という、トークの内容とはまた別の“空気感”の心地よさを感じていることが多いんです。そういう“言葉”のセッションならではの新鮮な楽しさ、みなさんも味わっておられるのではないでしょうか。
今週、来週のゲスト・大澤誉志幸さんも、銀次さんとは古い古い音楽仲間。大澤さんがソロ・デビュー前に活動していたバンド、クラウディ・スカイのライヴもご覧になっているという銀次さん。さーすがキャリア長いです(笑)。実際に会ってお話をするのは本当に久々だったとのことですが、そうとは思えぬリラックス・ムードの中で楽しいお話をたっぷり聞かせていただきました。大澤さんは、この放送の配信日翌日(5月30日)から恒例の弾き語り“渡り鳥ツアー”が始まります。その土地の名所や美味しいものを楽しんだり、移動の合間に温泉でリフレッシュしたり……。バンドを率いてあわただしく全国を飛び回っていた頃には経験したことのない、自分自身もじっくりと旅を楽しみながら各地を歌って回るツアーをやってみたい。そんな思いつきから始めたところ、今ではすっかり恒例になってライブ本数もどんどん増えているとか。銀次さんも、ギター1本で初めて全国弾き語りツアーに出ることを決意した時のことを話してくださいました。弾き語りってバンドより人数も機材も少ないけれど、それだけに自分ひとりがすべての役割を担ってすべてを表現していかなければならない“総合芸術”なんですね。バンドと弾き語り、両方を知り尽くしたお二人が語る弾き語りの極意には深く頷くばかりでした。
今回は“渡り鳥ツアー”の予告編も兼ねて(?)、大澤さんからスタジオ・ライブのプレゼント! 弾き語りバージョンでの「その気×××」。いやぁ、もう、これは絶対に絶対にお聞き逃しなく!です! ジョアン・ジルベルトばりのグルーヴィーなボサノヴァ・ギターで聴かせる大澤メロディの魅力、堪能してください。これまでの旅の様子を話してくださる時も、大澤さんの表情がとても嬉しそうになるのが印象的だったのですが。ご自身が旅を楽しんでいる日々が、そこで演じられる音楽にも反映されているんだろうなと思いました。みなさんのお近くにオオサワ渡り鳥が飛来する機会がありましたら、これはぜひぜひナマで体験されることをオススメします。渡り鳥だけに、間近で聴く歌とギターの贅沢な響きはトリハダものです!
《銀次のオススメ》では、公開中の映画『イニシエーション・ラブ』のコンピレーションをご紹介しました。映画の舞台となる80年代のヒット曲がみっちり詰まった2枚組。映画での使用曲だけでなく、監督の堤幸彦さん監修による80年代の名曲たちがこれでもかと詰め込まれています。大澤さんの「そして僕は途方にくれる」も収録されています。80年代のファッションを思い出すと太眉毛で肩パッドとか、ものすごく遠い昔のことに感じられるのですが。好きだった曲の場合、20年以上前の曲でも時の経過を感じさせない新鮮さがあるのはなぜなんでしょうね。やっぱり、音楽の力ってすごい。
番組では、皆さまからのメッセージをお待ちしております。ご意見、お聞きになってのご感想、こんなゲストを呼んでほしいというリクエストなどなど、何でもけっこうです。よろしくお願いします。みなさまの声が銀次さん、スタッフ一同の励みになります! このページのメッセージフォームからお送りいただけると幸いです。次回も引き続き、大澤誉志幸さんをお迎えしてお送りします。お話は、おふたりのルーツをさかのぼり…さらに深く濃く広がってゆきます。そして次回も、ずぇーったいに聞き逃せない激レア・プレミアムなスタジオ・ライブがありますよ。どうぞお楽しみに!
●次回予告
2015年6月5日更新予定
第109回「大澤誉志幸」特集その2
~銀次、佐野、ジュリーと4人で編~
ゲスト:大澤誉志幸