放送後記 from 能地祐子
先週に引き続き、萩原健太さんをゲストにお迎えして……いや、こういう時は何と言うのでしょう、萩原健太を迎えて……のほうがいいのかな?(笑) まぁ、とにかく、引き続き、萩原さんが選曲・監修・解説を手がけた生誕80周年を迎えたエルヴィス・プレスリーの10枚組全270曲の通販限定決定版豪華ボックスをサカナに、今週もにぎやかにお届けいたします。今回は“ギター・サウンドから読み解くエルヴィス”、この番組ならではのちょっと面白い切り口からエルヴィス・プレスリーの魅力をご紹介します。
エルヴィス・サウンドにはなくてはならない名セッションマンであり、萩原さんがもっともリスペクトするギタリストのひとりでもあるジェームズ・バートン。実は、萩原さんにはじめてバートン奏法を教えてくれたのが、銀次さんなんですね。でも、直接レッスンを受けたわけではないんです。萩原さんは大学生の頃、銀次さんが何冊も出していた70年代ロック・ギタリストたちの教則本でギターを勉強していたとか! だから、間接的ですが“師匠”なのです。バートンやライ・クーダーなど、まだ日本では知る人ぞ知る存在だったギタリストたちの奏法をご自分の耳だけを頼りに独学で解明したという銀次さんの教則本は、まさに日本ロック史の『解体新書』(またはファミコンの攻略本)。萩原さんが、銀次さんの教則本がわかりやすかったのは秀才型ギタリストならではの教え方だったからだと思う……と言えば、銀次さんが「僕は日本ロック界の牧野コーチだから」。このやりとりは「なるほどー」と感心しつつ、あまりに絶妙なたとえに笑ってしまいました。
エルヴィスの話題から、大学時代に萩原さんがFMで聴いたシュガーベイブ時代のライヴの話題、そして萩原さんと銀次さんが共に参加していた『イカ天』時代のお話まで。話はどんどん広がりつつ、とっても濃いーー音楽談義となりました。もう20年以上前のことで、『イカ天』という番組をご存じないリスナーの方もおられるかもしれませんが、本当に凄いブームだったんです。当時のことを「褒める時は褒めるけど、日本のバンドはこうあってほしいという気持ちをこめて厳しいことも言ったし。でも1年間、本当に真剣に審査したよね」と振り返る萩原さんと銀次さん。銀次さんは最近の若手ミュージシャンについても、期待と共に「もっと尖ってほしい、もっと生意気でいいんだよ」というとをいつもおっしゃっていますが。その愛ある視点はずっと変わらず、ブレてないんですね!
《銀次のオススメ》では、オーダーメイド・ファクトリーにエントリー中の高木ブーさんのベスト・アルバム企画をご紹介しました! なんと、ブーさんってエルヴィスより年上なんですね(驚)。そんなブーさんが自ら企画した、生涯初のベスト・アルバム。これからの季節にぴったりの素敵な選曲になりそう。ぜひ、商品化実現してほしいなぁ。ご興味ある方はぜひ、OMFページをチェックしてみてくださいね。
番組では、皆さまからのメッセージをお待ちしております。ご意見、お聞きになってのご感想、こんなゲストを呼んでほしいというリクエストなどなど、何でもけっこうです。よろしくお願いします。みなさまの声が銀次さん、スタッフ一同の励みになります! このページのメッセージフォームからお送りいただけると幸いです。次回は、大澤誉志幸さんをお迎えします。銀次さんとは、沢田研二さんの「“おまえにチェックイン”」を始めとする数々の作品で作・編曲コンビを組んできた大澤さん。どんなお話が飛び出すのか、楽しみです。なんと!なんと!スタジオ・ライブも聴かせていただける模様。これは聴きのがせません。どうぞお楽しみに!
●次回予告
2015年5月29日更新予定
第108回「大澤誉志幸」特集その1
~荷物の多い渡り鳥編~
ゲスト:大澤誉志幸