第14回「トワイライト・シンフォニー」放送後記 from 土橋一夫
「POP FILE RETURNS」第14回放送、お楽しみ頂けましたか?
今回の放送から1983年リリースの4thアルバム『STARDUST SYMPHONY '65-'83』へと話は移り、ここに収められていた「トワイライト・シンフォニー」を特集しました。
1960年代中盤に銀次さんが好きでよく聴いていたレン・バリーの「1-2-3」や、フォー・シーズンズ、シュープリームス、そしてローリング・ストーンズの「Under My Sam」に登場するマリンバのイメージがヴィブラフォンに置き換えられて出来たという「トワイライト・シンフォニー」の制作についての謎解きはとても興味深いものでした。
これを聴いて納得されたファンの方も多いことでしょう。
そして大瀧詠一さんに初めて褒められた曲だ、というお話をされた時の銀次さんの嬉しそうな表情が、とても印象的でした。
当時流行りつつあった打ち込みっぽいタイトな音色を生演奏で再現したサウンドや録音方法について顧みた発言も、面白かったと思います。
まさにこの当時のスタジオ・レコーディングは、実験と試行錯誤の毎日でした。
「生きた音楽には、ある程度の流行廃りがある。そしてその時に聴くメディアの変化によってレコーディング・スタイルも変わってくる」
「人間はアナログで、自分がデジタルにはなれない。だから自分はアナログの極地として考える」
「聴いている人はアナログなんだ」という発言は、銀次さんならではのものでした。
人間のアナログ力を高めることこそが、デジタルや新たな機材を扱うために必要なんですね。
改めて勉強になりました。またこのアルバムから新たに参加された作詞家、銀色夏生さんや、ギタリストの北島健二さんとのエピソードも、楽しいものでした。
さて「POP FILE RETURNS」では皆様からのご意見やご要望もお待ちしております。
銀次さんも必ず目を通しますので、是非番組ホームページの「投稿フォーム」からお寄せ下さい。
それでは第15回目の放送をどうぞお楽しみに。
●次回予告
2016年2月26日更新予定
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