アーカイヴ配信スペシャル 伊藤銀次のPOP FILE RETURNS

第15回「泣きやまないで、LOVE AGAIN」特集~YMOの後ろでタンスに囲まれた人は誰?編~
2013/08/02 配信

第15回「泣きやまないで、Love Again」放送後記 from 土橋一夫

「POP FILE RETURNS」第15回放送、お楽しみ頂けましたか?

今回の放送も引き続き1983年4月25日リリースの4thアルバム『STARDUST SYMPHONY '65-'83』から、同日にシングル・カットされた「泣きやまないで、LOVE AGAIN」を中心にお話をお聞きしました。

この曲で打ち込みを担当したY.M.O.との仕事でも有名な松武秀樹さん、そして当時「タンス」と呼ばれていた巨大なシンセサイザー・システムについてのお話は、当時を知る人には懐かしいものでした。

富田勲さん直系の松武さんの登場によって、伊藤銀次サウンドにも革命がもたらされた訳ですが、ほぼ同世代であるロバート・パーマーの影響を受けたというこの曲のエピソードも、そして70年代リヴェンジ組が80年代に成功を掴んだ話もいかにも銀次さんらしいものでした。

日進月歩だったコンピューター機材と、それを生かすために日夜新しい音楽を作っていた世界中のシーンが、ファッションなどと結びついて大きな勢力となりつつあった、そんな時に生まれたのがこの曲だった訳です。

そう考えるとネット社会が一般化し、その中でさらに進化を続けるコンピューター・ミュージックがこの先どんな方向へ進み、どんな影響を若いリスナー達に与えていくのか、楽しみですね。

そして作詞家の銀色夏生さんや康珍化さんの登場も、銀次さんの音楽を鮮やかに彩る大きな要因となりました。

加えて都市の進化とカルチャーの活気が音楽に大きな影響を与え、シーンが活性化していった話は、六本木WAVEなどを知る世代のリスナーの方には懐かしく聞こえたことと思います。

それからコア・ファンには有名な「アダルト・キッズ」というキャッチについても聞いてみました。まさか最初は「中年バブルガム・サウンド」だったとは!

さて「POP FILE RETURNS」では皆様からのご意見やご要望もお待ちしております。

銀次さんも必ず目を通しますので、是非番組ホームページの「投稿フォーム」からお寄せ下さい。

番組内でアナウンスしました、過去の放送の再配信についても、ご意見をお送り頂けたら幸いです。

それでは第16回目の放送をどうぞお楽しみに。


●次回予告

2016年3月4日更新予定

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出演者プロフィール

伊藤銀次
伊藤銀次(いとう ぎんじ)
1972年、バンド"ごまのはえ"でプロ・デビュー。プロデュース依頼が切っ掛けで大瀧詠一と出会い、はっぴいえんどの解散コンサートに"ココナツ・バンク"として出演するが、ほどなく解散。その後一時期、"シュガー・ベイブ"に在籍し、名曲「DownTown」を山下達郎と共作、また大滝詠一、山下達郎と共に『Niagara Triangle Vol.1』に参加。1977年に初のソロ・アルバム『Deadly Drive』をリリース。その後はアレンジャー/プロデューサーとして沢田研二、アンルイスなど数々のアーティストを手掛ける傍ら、佐野元春のバンド"The Heartland"のギタリストとしても活動。
ソロ・アーティストとして『Baby Blue』『Sugar Boy Blues』『GET HAPPY』『LOVE PARADE』等を発表。1990年代以降はプロデューサーとして手掛けたウルフルズが大ヒットを記録。2007年からは、「I STAND ALONE」という弾き語りライヴを各地で開催し好評を得る。また杉真理らとの"マイルドヘヴン"や、L⇔Rの黒沢秀樹との"uncle-jam"など新たなバンド/ユニット活動も開始。
そしてデビュー40周年を迎えた2012年、ベスト・アルバム 『伊藤銀次 GOLDEN☆BEST~40th Anniversary Edition~』をリリース!
オフィシャルブログ:「SUNDAY GINJI」
RIO
RIO(リオ)
1974年 三重県生まれ4人姉妹の末っ子
1983年 小学校3年生の時、お絵描き教室の先生にANDY WARHOLの作品集を見せてもらい衝撃を受ける。
1989年 中学校を卒業し、ようやく念願のアメリカへ単身渡る。
1992年 The Cambridge school of Westonを卒業。
東海岸の芸術大学への奨学金制度をもらうが、寒さのあまりカリフォルニアへ。
西海岸カリフォルニア、サンフランシスコのThe Academy of Art college入学
1994年 大学を修了 / オーストラリアへ
1995年 帰国し大阪で輸入の仕事や営業ウーマンを経験
1998年 アルバイトをしながらバンドを組み、ライブをやっていた時にラジオ関係者に声をかけられラジオの世界へ。
大阪を中心に名古屋のZIP-FM、JFN全国ネットなど、FMラジオのDJやMCとして順調に活動していたが
2014年 大阪を離れ、上京。
現在は画家の活動を中心にラジオの番組も続けている。
ラジオDJやMCなどメディアの仕事ではRIOとして活動。
画家としてはRIO UMEZAWAとして活動。
Rio Umezawa Official Web Site
--アーカイブ配信 パーソナリティ紹介--
土橋一夫(どばし かずお)
テイチク等を経て(有)シャイグランス代表となり『Groovin'』を創刊、また"Surf's Up Design"を設立しアート・ディレクターとしてジャケットや書籍等を多数手掛ける。ディレクターとしては杉真理、村田和人、玉城ちはる等の新作、細野晴臣、伊藤銀次、杉真理、須藤薫、村田和人、フィル・スペクター関連やA&M等の再発を担当。著書に『ジャケガイノススメ』、編・監修書に『ザ・ビーチ・ボーイズ・ダイアリー』等がある。K-MIX「ようこそ夢街名曲堂へ!」のパーソナリティ/構成を担当中。FLY HIGH RECORDS主宰。
能地祐子(のうじ ゆうこ)
東京生まれ。大学時代から音楽ライターの仕事を始め、現在に至る。音楽誌を中心に、ロックからJ-POP、アイドル歌謡までジャンル問わず評論、紹介記事を執筆中。音楽以外の趣味は、野球観戦。

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