第15回「泣きやまないで、Love Again」放送後記 from 土橋一夫
「POP FILE RETURNS」第15回放送、お楽しみ頂けましたか?
今回の放送も引き続き1983年4月25日リリースの4thアルバム『STARDUST SYMPHONY '65-'83』から、同日にシングル・カットされた「泣きやまないで、LOVE AGAIN」を中心にお話をお聞きしました。
この曲で打ち込みを担当したY.M.O.との仕事でも有名な松武秀樹さん、そして当時「タンス」と呼ばれていた巨大なシンセサイザー・システムについてのお話は、当時を知る人には懐かしいものでした。
富田勲さん直系の松武さんの登場によって、伊藤銀次サウンドにも革命がもたらされた訳ですが、ほぼ同世代であるロバート・パーマーの影響を受けたというこの曲のエピソードも、そして70年代リヴェンジ組が80年代に成功を掴んだ話もいかにも銀次さんらしいものでした。
日進月歩だったコンピューター機材と、それを生かすために日夜新しい音楽を作っていた世界中のシーンが、ファッションなどと結びついて大きな勢力となりつつあった、そんな時に生まれたのがこの曲だった訳です。
そう考えるとネット社会が一般化し、その中でさらに進化を続けるコンピューター・ミュージックがこの先どんな方向へ進み、どんな影響を若いリスナー達に与えていくのか、楽しみですね。
そして作詞家の銀色夏生さんや康珍化さんの登場も、銀次さんの音楽を鮮やかに彩る大きな要因となりました。
加えて都市の進化とカルチャーの活気が音楽に大きな影響を与え、シーンが活性化していった話は、六本木WAVEなどを知る世代のリスナーの方には懐かしく聞こえたことと思います。
それからコア・ファンには有名な「アダルト・キッズ」というキャッチについても聞いてみました。まさか最初は「中年バブルガム・サウンド」だったとは!
さて「POP FILE RETURNS」では皆様からのご意見やご要望もお待ちしております。
銀次さんも必ず目を通しますので、是非番組ホームページの「投稿フォーム」からお寄せ下さい。
番組内でアナウンスしました、過去の放送の再配信についても、ご意見をお送り頂けたら幸いです。
それでは第16回目の放送をどうぞお楽しみに。
●次回予告
2016年3月4日更新予定
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