第19回「雪は空から降ってくる」放送後記 from 土橋一夫
「POP FILE RETURNS」第19回放送、お楽しみ頂けましたか?
今回も5thアルバム『ウィンター・ワンダーランド』から、ということで「雪は空から降ってくる」を取り上げました。
真夏に聴く冬のアルバムもなかなか乙なものです。特にこの曲の背景にはバート・バカラックがある、というのはファンの間では知られたエピソードですが、B.J.トーマスの「雨にぬれても」を雪に置き換えたら?という康珍化さんのアイディアがこのナンバーを生み出したのでした。
ロック以前のポピュラー・ミュージック(イージーリスニングや映画音楽、カントリーなど)を若い頃に聴いていたという銀次さんが本来的に持つ資質が、この曲にも良い形で表れているのですが、それをそのまま生音で演奏するのではなく、80年代当時の最新のサウンドを駆使して松武秀樹さんのプログラミングで再現する辺りは、いかにも銀次さんらしいと思います。
そして話に出てきた、ブラシの代わりに団扇の骨を使った話!こういう創意工夫がレコーディング現場では大事なんですね。
サンプラーが普及する前の貴重なエピソードでした。
前回の「ダディ柴田とダミー柴田」事件もそうですが、銀次さんの音楽には常にユニークな遊び心が溢れています。
そして発言にもあります通り、このアルバムで一区切りを付けて、この後銀次さんはメロディアス路線からビートを前面に据えたロック路線へと転換を図る訳です。
それからGONTITIとのエピソードも飛び出しましたが、「僕と彼女のショート・ストーリー」は彼らと一緒にやるために作ったものだったんですね!
この日の銀次さんは、スタジオにウクレレを持ち込んでの収録でした。
その辺りもお楽しみ頂けたら嬉しいです。そして作家やスタッフ、ミュージシャンなどのクレジットから入る話!
この辺りはアナログが好きな方なら、なるほどと思われたことと思います。名曲や名演の裏側を知りたい、という話から三橋美智也さんとダビングの話に飛ぶ辺りも、いかにも銀次さんらしいものでした。
そして8月最後の放送ということで、銀次さんが作曲された須藤薫さんの「8月生まれ」もお聴き頂きました。
さて「POP FILE RETURNS」では皆様からのご意見やご要望もお待ちしております。
是非番組ホームページの「投稿フォーム」からお寄せ下さい。
それから引き続き、過去の放送の再配信についてもご意見をお送り頂けたら嬉しいです。
それでは第20回目の放送をどうぞお楽しみに。
●次回予告
2016年3月18日更新予定
第21回「白い恋人たち (SPRING MIX)」特集
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第22回「彼女のミステイク」特集
~Thank you Mr.Danny Kortchmar.編~