第25回「ビート・シティー」放送後記 from 土橋一夫
「POP FILE RETURNS」第25回放送、お楽しみ頂けましたか?
前回までの2回は榊いずみさんをお迎えしていつもとちょっと違う感じでお送りしましたが、今回からはまたいつものペースに戻して、『GOLDEN☆BEST』には入っておりませんが、まだまだ話し足りないということで1984年7月リリースのアルバム『Beat City』についてのお話を続けました。
今回はアメリカ/L.A.でのレコーディングを中心に、マーク・ゴールデンバーグとのエピソードなど貴重な話が飛び出しました。
ちなみにその会話の中でマーク・ゴールデンバーグの手がけたCMの話が出てきますが、それはサントリーのCMのことで、1984年にキティからそれらCM曲を中心としたアルバム『鞄を持った男』としてまとめられ、リリースされました。
それからオリビア・ニュートン・ジョンの「フィジカル」のドラムでも有名なカルロス・ヴェガとのお話も、すごく楽しいものでした。
余計なフィル・インを入れずにスクエアなドラミングをする、というその裏には、打ち込みが一般化していた1984年という時代性を写したものがあったわけです。
クールなプロとしての仕事ぶりがここでも伺えますが、セッションの合間ではツェッペリンごっこをやっていたり(笑)、その辺にはいかにもL.A.のミュージシャンらしさが溢れていますね。
ロックという共通言語があるからこそ、国や場所が違っても一緒に音楽が出来るという銀次さんの感想は、まさにその通りだと思います。
こういったエピソードを踏まえた上で是非『Beat City』を聴き直してみて下さい。
きっと新たな面が見えてくるはずです。
スティーヴ・フォアマンとはそれ以前に六本木ピット・インで会っていたとか、彼が持ってきた大量のパーカッションの棚の中にそろばんがあったとか、そんな面白い話もありました。
加えて、当時のデモ・テープ作りについてや、アレンジャーとプロデューサーの違いについてのお話も、今となっては貴重な証言でした。
何とトンプソン・ツインズが飛び出すとは!そして国吉良一さんが手で弾いた、まるで打ち込みのようなサウンドも驚きでした!
さて「POP FILE RETURNS」では皆様からのご意見やご要望もお待ちしております。
是非番組ホームページの「投稿フォーム」からお寄せ下さい。
それから過去の放送の再配信も既に期間限定ですがスタートしておりますので、お聴き逃しのないように。
それでは第26回目の放送をどうぞお楽しみに。
次回予告
2016年4月8日更新予定 第27回「夜を駆けぬけて」特集 ~男声低音ロックに挑戦編~