第26回「サンタ・カタリナ島にて」放送後記 from 土橋一夫
「POP FILE RETURNS」第26回放送、お楽しみ頂けましたか?
今回も引き続き、1984年7月リリースのアルバム『Beat City』についてのお話をお送り致しました。
まずお聴き頂きました「サンタ・カタリナ島にて」ですが(リクエスト、ありがとうございました!)
このアルバムの収録曲の中で最後に、しかもレコーディングが行われたロサンゼルスに行ってからフリオ・オグレシアスを意識して作られたという話から始まりました。
レコーディングで滞在した間に、トンプソン・ツインズやハワード・ジョーンズ、ジョー・ジャクソンなどのライヴを見に行ったり、大瀧詠一さんがはっぴいえんど時代の1972年にロサンゼルスを訪れた際のエピソードなども飛び出しましたが、中でもハワード・ジョーンズがフロント・アクトを務めたジョー・ジャクソンのライヴの話は面白いものでした。
そしてトンプソン・ツインズがタワーレコードでサイン会をやっていたことや、朝早い情報バラエティ番組に当時のヒット・グループが出演しているのを目撃した話、さらに「日本では歌謡曲とロックのエリアは重なっていない、しかしアメリカでは新しく流行している音楽は歌謡曲に過ぎない、みんなに聴いてもらいたいという気持ちは変わらないんだ」「いくら憧れの洋楽であっても、作り手側はあくまでも音楽は音楽として捉えてクリアな目線で作るべき、余計な迷信は捨て去るべき」、という銀次さんのお話は、なるほどと思わせるものでしたね。
1984年と言えばMTVが一般化してまさに新たな力を持ち始めた時期でしたが、その頃にアメリカでMTVの状況を直に目にされた銀次さんの一連の体験談も、今となっては重要なものでした。
なお本編にも登場した銀次さんの「ビート・シティー」のPVですが、これは以前、丸の内のケンウッドのショールームで行っていたイヴェント「Pied Piper Days」に銀次さんにご出演頂いた時に一度だけかけたことがあるのですが、是非また銀次さんのイヴェントなどを通じて皆さんにお見せする機会を作れたらと思っております。そして次回からは遂にポリスター時代の最後のアルバム『Person To Person』へと話は移っていきます。
さて「POP FILE RETURNS」では皆様からのご意見やご要望もお待ちしております。
是非番組ホームページの「投稿フォーム」からお寄せ下さい。
それから過去の放送の再配信も既に期間限定ですがスタートしておりますので、是非チェックしてみて下さい。それでは第27回目の放送をどうぞお楽しみに。
次回予告
2016年4月8日更新予定 第27回「夜を駆けぬけて」特集 ~男声低音ロックに挑戦編~