第34回「GET HAPPY」放送後記 from 土橋一夫
「POP FILE RETURNS」第34回放送、お楽しみ頂けましたか?
今回も引き続き東芝EMIイヤーズの1986年7月23日にリリースされたアルバム『GET HAPPY』の話題をお届け致しました。
冒頭での銀次さんの発言に「イギリスでは既に新たなソウル・ミュージック的な流れが見えてきていた」という主旨のものがありましたが、この辺りからも常に海外の音楽へアンテナを張り、その時々の世界的な音楽の方向性にも気を配っていたという、以前から変わらない銀次さんの特徴が現れていたと思います。
それにシモンズを叩きながら歌っていた当時の「ダンスの雨に打たれて」のライヴ音源、これも今では考えられないかも知れませんが、イギリスを意識して影響を受けた銀次さんならではのパフォーマンスでした。
それからアリフ・マーディンの逸話や、そこから窺い知れるアナログと打ち込みレコーディングの違い、「フラッシュ・イン・ザ・ダーク」を元々は吉川晃司さんに提供したときの話などなど、今回もこの番組ならではのトーク満載でした。
特に佐野元春さんを通じて紹介されたラップなどのストリート・ミュージックがまだ日本において定着していない1980年代中期から後期にかけての話は、今となっては本当に貴重なものでした。
新たなクリエイター達がどんどん登場し、シーンが大きく変わりつつあったこの時期を象徴する証言だったと思います。
そして番組はPSY・Sの松浦雅也さんのことから、ゲーム・ミュージックの話へ移り、「MOTHER」に影響を受けた話も。
今回の話の肝は、やはり作り手と受け手(楽しむ側)の意識の違いだったと思います。
今回の放送は、特に若いクリエイター、ミュージシャンには是非聴いてもらいたいと思います。
さて「POP FILE RETURNS」では皆様からのご意見やご要望もお待ちしております。
是非番組ホームページの「投稿フォーム」からお寄せ下さい。
それから過去の放送の再配信も期間限定ですがスタートしておりますので、是非チェックしてみて下さい(スマートフォンにも対応致しております)。
それでは第35回の放送をどうぞお楽しみに。