アーカイヴ配信スペシャル 伊藤銀次のPOP FILE RETURNS

第98回「NIAGARA CD BOOK ?」特集その1~大滝さんもドラマーだった編~
ゲスト:ドラマー 上原‘ユカリ’裕
2015/03/20 配信

放送後記 from 能地祐子  『NIAGARA CD BOOK2』を特集するにあたって、この番組ならではの切り口でやりたいよね……ということは前々からスタッフとも相談していたのですが。と、同時に、銀次さんのもっとも古い音楽仲間である上原“ユカリ”裕さんにゲストに来ていただいて、おふたりの歴史をまじえた音楽談義なんて楽しそうだなぁというプランもあったのです。ならば、そのふたつの企画を合体させてしまおう!ということになりました。まさに、これは『POP FILE RETURNS』だからこそ実現した顔あわせ。銀次さんと共にバンド“ごまのはえ”メンバーとして大阪から上京、その後は数え切れないほど多くのライブやセッション、スタジオワークで活躍してきた上原“ユカリ”裕さん。我が国が誇る、最高のドラマーのおひとりです。日本に暮らしていて、上原さんのサウンドを耳にしたことがない人はいないはず。大滝詠一さんにとっても、ナイアガラ・セッションに欠かすことのできない大切なミュージシャンのおひとりでした。

 今回はマニアも必聴のエピソード、もりだくさんです。上原さんだからこそ語れる、ナイアガラ・セッションの内側から見たナイアガラ・サウンドについて。ドラマーとして見た、プロデューサー大滝詠一の素顔。などなど。そしてもちろん、私たちの知らない銀次さんのエピソードの数々も! 10代とハタチそこそこで出会って以来、40年以上にわたるおふたりの会話は何とも絶妙で最高でした。私も横で大爆笑したり、ホロリとしたり……。この幸せな空気感、リスナーの皆さんにもきっと伝わることと思います。収録中、上原さんがプレイした大滝作品をかけるたびに銀次さんが嬉しそうな笑顔で「ユカリの音だよ。これはもう、ユカリとしか言いようがないよねぇ」と何度もおっしゃっていたのが印象的でした。番組の中で銀次さんが、上原さんの魅力を「ユカリのドラムには“歌”がある」「演奏で会話ができるドラマー」と表現されていますが。まさに。ドラム・サウンドに耳を集中させて『ロンバケ』や「幸せな結末」を聴いていると、なぜこれほどまでに大滝詠一さんが上原さんのプレイを愛していたかがおわかりいただけることでしょう。

 《銀次のオススメ》では、おなじみオーダーメイド・ファクトリーで商品化が決定したガロのオリジナル・アルバム8枚組、『GARO ORIGINAL ALBUMS 1971-1975』をご紹介しましたが。なんと、アルバム『吟遊詩人』には銀次さんと上原さんが参加されているのです。今回は上原さんが「レコーディング以来、初めて聴くかもしれない(笑)」とおっしゃっていた、その曲をおかけしました。なお、ひとつお詫びを。放送中、私が「『吟遊詩人』はファースト・アルバムなんですか?」と、お聴きの皆様には誤解を招くような訊き方をしてしまいました。7枚目のオリジナル・アルバムです。混乱されたらすみません。

 番組では、みなさまからのメッセージをお待ちしております。前回、佐藤善雄さんの回も「楽しかった!」というお声をたくさんいただき嬉しいです。お聞きになっての感想、こんなゲストを呼んで欲しい、アンコール放送のご希望などなど、このページのメッセージフォームからお送りいただけると幸いです。また、全国津々浦々と旅して回る銀次さんのライブをご覧になった感想など、目撃情報(笑)もぜひお寄せください。  今回、100回目の予告もちらっとあります……むふふ。そして次回はついに99回! 引き続き、上原“ユカリ”裕さんをゲストにお招きします。話題はナイアガラからさらに深~いところに。若き日の上原さん、銀次さんのエピソード満載でお届けしますよ。お楽しみに!

出演者プロフィール

伊藤銀次
伊藤銀次(いとう ぎんじ)
1972年、バンド"ごまのはえ"でプロ・デビュー。プロデュース依頼が切っ掛けで大瀧詠一と出会い、はっぴいえんどの解散コンサートに"ココナツ・バンク"として出演するが、ほどなく解散。その後一時期、"シュガー・ベイブ"に在籍し、名曲「DownTown」を山下達郎と共作、また大滝詠一、山下達郎と共に『Niagara Triangle Vol.1』に参加。1977年に初のソロ・アルバム『Deadly Drive』をリリース。その後はアレンジャー/プロデューサーとして沢田研二、アンルイスなど数々のアーティストを手掛ける傍ら、佐野元春のバンド"The Heartland"のギタリストとしても活動。
ソロ・アーティストとして『Baby Blue』『Sugar Boy Blues』『GET HAPPY』『LOVE PARADE』等を発表。1990年代以降はプロデューサーとして手掛けたウルフルズが大ヒットを記録。2007年からは、「I STAND ALONE」という弾き語りライヴを各地で開催し好評を得る。また杉真理らとの"マイルドヘヴン"や、L⇔Rの黒沢秀樹との"uncle-jam"など新たなバンド/ユニット活動も開始。
そしてデビュー40周年を迎えた2012年、ベスト・アルバム 『伊藤銀次 GOLDEN☆BEST~40th Anniversary Edition~』をリリース!
オフィシャルブログ:「SUNDAY GINJI」
RIO
RIO(リオ)
1974年 三重県生まれ4人姉妹の末っ子
1983年 小学校3年生の時、お絵描き教室の先生にANDY WARHOLの作品集を見せてもらい衝撃を受ける。
1989年 中学校を卒業し、ようやく念願のアメリカへ単身渡る。
1992年 The Cambridge school of Westonを卒業。
東海岸の芸術大学への奨学金制度をもらうが、寒さのあまりカリフォルニアへ。
西海岸カリフォルニア、サンフランシスコのThe Academy of Art college入学
1994年 大学を修了 / オーストラリアへ
1995年 帰国し大阪で輸入の仕事や営業ウーマンを経験
1998年 アルバイトをしながらバンドを組み、ライブをやっていた時にラジオ関係者に声をかけられラジオの世界へ。
大阪を中心に名古屋のZIP-FM、JFN全国ネットなど、FMラジオのDJやMCとして順調に活動していたが
2014年 大阪を離れ、上京。
現在は画家の活動を中心にラジオの番組も続けている。
ラジオDJやMCなどメディアの仕事ではRIOとして活動。
画家としてはRIO UMEZAWAとして活動。
Rio Umezawa Official Web Site
--アーカイブ配信 パーソナリティ紹介--
土橋一夫(どばし かずお)
テイチク等を経て(有)シャイグランス代表となり『Groovin'』を創刊、また"Surf's Up Design"を設立しアート・ディレクターとしてジャケットや書籍等を多数手掛ける。ディレクターとしては杉真理、村田和人、玉城ちはる等の新作、細野晴臣、伊藤銀次、杉真理、須藤薫、村田和人、フィル・スペクター関連やA&M等の再発を担当。著書に『ジャケガイノススメ』、編・監修書に『ザ・ビーチ・ボーイズ・ダイアリー』等がある。K-MIX「ようこそ夢街名曲堂へ!」のパーソナリティ/構成を担当中。FLY HIGH RECORDS主宰。
能地祐子(のうじ ゆうこ)
東京生まれ。大学時代から音楽ライターの仕事を始め、現在に至る。音楽誌を中心に、ロックからJ-POP、アイドル歌謡までジャンル問わず評論、紹介記事を執筆中。音楽以外の趣味は、野球観戦。

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