秋山ちえ子朗読かわいそうな ぞう
毎年8月15日、半世紀近くの間、ラジオから流れてきたのは「二度と戦争はしてはいけない」というメッセージ。誰もが知っている実話に基づく物語は、この放送から広がった。今年97歳、秋山ちえ子のライフワークは、これからも続く。
戦後70年を控えた今日でも、毎年8月15日を迎えると、多くの終戦記念番組が特集されます。
そんな中、ひとつの物語が半世紀近くのあいだラジオ放送で朗読され続けてきました。
「かわいそうな ぞう」。
終戦間近の昭和20年、空襲をうける東京で、市民の安全のために動物たちを殺さざるを得なかった上野動物園の飼育係を描いた、実話に基づく物語。
身勝手な人間への反省、一方、その人間が持つ優しさと愛情、そして「二度と戦争をしてはいけない」というメッセージを伝えています。
戦後すぐに放送ジャーナリズムの世界に進んだ秋山ちえ子は、第二次世界大戦を鮮明に記憶している世代として、恒久平和の願いをこめ、この作品を朗読。同書は累計151万部を超えるベストセラーとなり、現在ではアニメ化やTVドラマ化もされています。2008年の録音、CD化にあたり、英語版「Faithful Elephants」を、この企画に賛同したシンディ・ローパーが朗読。メッセージは日本を飛び出すこととなりました。