HOW DOES IT FEEL?
あなたにとってボブ・ディランとは?
※五十音順に掲載

AKLOラッパー

Bob Dylanさんの声は耳を傾けたくなる独特でかっこいい声だなと思います。そして耳を傾けたときに聞こえるリリックはいろいろ考えさせられるという、表現者として魅力のレイヤーがいくつもあり、とても尊敬してます。

好きな曲「風に吹かれて」(「Blowin' In The Wind」1963)

天辰保文音楽評論家

我が身と向き合うことを教わったような気がします。いつも、大切そうなことを歌いかけ、問いかけ、ぼくの中の何かを目ざめさせてくれたり、気づかせてくれたり、考えさせてくれたりと、そんな存在でいつづけています。たぶん、これからも、、。

好きなアルバム『ブロンド・オン・ブロンド』(『Blonde On Blonde』1966)

池田エライザモデル・女優

彼の曲はいつだって映画的で、それぞれの曲の中にの『わたし』自身がめり込んでいき、エゴが生まれ、慈悲がうまれ、愛が生まれる。そして人間を、生きることを、地球を、自分を、愛おしく感じさせてくれる。

好きな曲「ブルーにこんがらがって」(「Tangled Up In Blue」1975)

いしわたり淳治作詞家・音楽プロデューサー

誰もボブ・ディランを真似ることは出来ない。もし仮に彼を真似たとしても「ボブ・ディランみたいだね」と笑われてお仕舞いで、まともには取り合ってもらえない。それほどまでに強烈に個性的なミュージシャンがこの世に何人いるだろう。これまでがそうだったように、これからもボブ・ディランは、誰かに超えられることも、誰かを超えることもない。そんな孤高の地平の先で、彼は今日も魂の歌を歌っている。

好きな曲「くよくよするなよ」(「Don't Think Twice, It's All Right」1963)

浦沢直樹漫画家

彼はずっと声を変え、顔を変え、ジャンルを飛び越えてきました。それはボブ・ディランという男の人生がどうあれば最も面白いものになるのかという壮大な実験だったような気がします。粋とは何か、いなせとは何か、生々しさとは何か、最後にニヤッと笑うにはどうすればいいのかを、僕たちに教えてくれます。

大貫憲章音楽評論家/DJ

最初に「風に吹かれて」をほぼリアルタイムで聴いた時は気持ちよかった。その後、バーズでヒットした「ミスター・タンブリンマン」のオリジナルを聴いたら、すごい違和感でビックリ。ちょうど、クリームの「スプーンフル」の原曲、ロバート・ジョンソンのを聴いた時のような感覚。自分の感性がついていけないことを証明したようなものだった。

でも「ライク・ア・ローリング・ストーン」のヒットで改めて聴き返したら、少しは耳に馴染んだ気がした。ディランについて語ったりするようになったのは、この10年くらいで、50を過ぎてから。彼のことを「カッコいい!」と感じたのは、あの有名な「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」のPVを見た時。アートだなあ、と感心した覚えがある。アルバムはジャケの写真がイカしてる「ブロンド・オン・ブロンド」が曲も合わせて気に入った。2枚組でいろんな曲が「ロック」してる。ノーベル賞もすごいことだけど、そんなのもらわなくてもすごいのは分かってる。自分もいつもじゃないけど、彼を横目で見ながら、同じ時代を歩いてきたことに誇りと喜びを感じる。スゲーな、ディランって。

好きな曲・アルバム曲「ライク・ア・ローリング・ストーン」(「Like A Rolling Stone」1965)
アルバム『ブロンド・オン・ブロンド』(『Blonde On Blonde』1966)

大森南朋俳優

遠くの方から聴こえてくるわりにヤケに生々しいのが僕にとってのボブ・ディラン。

好きな曲「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」(「Subterranean Homesick Blues」1965)

金子ノブアキミュージシャン/俳優

芸術家としての理想の佇まい、それを考えた時に真っ先に浮かぶ方です。エッジに立ち続ける勇気、最高です。

好きな曲「風に吹かれて」(「Blowin' In The Wind」1963)

北中正和音楽評論家

権威を盲信するのではなく、自分で考えることの大切さを楽しく教えてくれた人。彼の音楽を聞いていなかったら、いまこんな仕事をしていなかったことはまちがいありません。

好きなアルバム60年代のアルバムはみんな好きなので絞るのは難しいですが、いまは冬なのでジャケットから判断して 『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』 (『The Freewheelin' Bob Dylan』1963)

桐山漣俳優

僕が生まれた頃から彼はいて、世代ではないから馴れ親しむのは映画を観るようになって、大人になってからでした。彼の歌声にはどこかに哀愁を感じるし、心の凝り固まったところをそっと和らげてくれるようなやはり自由がいいと、そんな気持ちにさせてくれます。

好きな曲「トゥ・ビー・アローン・ウィズ・ユー」 (「To Be Alone with You 」1969)

栗原類モデル、俳優

身近ではあるけど遠い人
常に実験的で哲学的な楽曲を作り続けている人、ある意味音楽の枠を超えたアーティスト
若い頃も素晴らしいけど、今となってはとんがっていてかっこいい
理想の年の取り方です。

好きな曲「天国への扉」(「Knockin' On Heaven's Door」1973)
人生に対する達観 死への思いを歌った美しい曲、彼の歌声は年をとればとるほど深みが出てきます。Subterranean Homesick Bluesに比べると深くより男ぽく聞こえる歌声がこの曲の味を出しています

甲本ヒロト
(ザ・クロマニヨンズ)

暴走各駅停車!!
スリル満点の絶叫マシーンなのだ!!

好きな曲・アルバム今の気分で
曲「船が入ってくるとき」(「When The Ship Comes In」1964)
アルバム『ザ・ベスト・オブ・カッディング・エッジ』(『The Best Of The Cutting Edge 1965-1966: The Bootleg Series, Vol. 12』2015)

後藤正文
(ASIAN KUNG-FU GENERATION)

ミュージシャン

ボブ・ディランの音楽と言葉は、日本人にとってはとても難しいと思う。ポップでキャッチーなわけではないし、英語が母語の人でも歌詞の意図を読み取るのは難しいところがあるのではないだろうか。何曲かお気に入りの曲があってライブに行っても、原曲とはまるで違うアレンジで演奏したりもする。ほとんど取りつく島がない。でも、どういうわけか強烈に惹かれる。そして打ちのめされもする。ヒップでクールで、あんな大人になりたいと思ってしまう。そういう不思議な存在です。

好きな曲・アルバム映画『NO DIRECTION HOME』が好きです。

菅野ヘッケルディラン愛好家

「だれもディランのように歌えない」ボブは師であり、兄のような存在でもある。ぼくの人生はボブによって規定されている。

好きな曲・アルバム曲「ブラインド・ウィリー・マクテル」(「Blind Willie McTell」1991)
アルバム『血の轍』(『Blood On The Tracks』1975)

園子温映画監督

僕にとってボブ・ディランは、
高校時代に”生き方のすべて”において影響を受けた人。
ミュージシャンを超えた、ひとりの”刺激的な表現者”である。

好きな曲「追憶のハイウェイ61」(「Highway 61 Revisited」1965)

土屋アンナモデル・ミュージシャン

多くの人々に多大なる影響を与えたミュージシャンの1人であるボブディランは多数の名曲を生み出し偉大なミュージシャンとして、私たちミュージシャンでも彼をリスペクトしないものはいないだろう。
優しく甘い歌声でメッセージ性の強い歌詞…人間らしく嘘のないその音楽はアメリカ文化のみならず全ての国に大きな影響をもたらしたと思う。
音楽は人々を救う
その言葉通り彼の音楽に救われた人は数え切れないだらう。
そしてこれから先も彼の音楽は多くの人々に愛を与え続けるとあたしは思う。

好きな曲「風に吹かれて」(「Blowin' In The Wind」1963)

東京ボブミュージシャン、ディランバー“POLKADOTS”オーナー

私にとってボブ・ディランはヒーローです。ルーツ音楽と現代音楽の時間の壁をぶち壊し、自らそこに立ちただひたすらに歌う。後は自分で考えろということだ。

好きな曲・アルバム曲「ハッティ・キャロルの寂しい死」(「The Lonesome Death Of Hattie Carroll」1964)
アルバム『テンペスト』(『Tempest』2012)

NAOKI
(LOVE PSYCHEDELICO)

ミュージシャン、サウンドプロデューサー

かつてロイ・オービソンが、そして晩年のジョン・レノンがそうであったように、ボブ・ディランもまた現在のシーンにおいて「歌手」としての佇まいを感じさせてくれる数少ないアーティストだと思います。
ひょっとしたら僕の言うこの「歌手」という表現は、他の世代の方の言うところの「吟遊詩人」と同義語なのかもしれません。その"他のロックミュージシャンと明らかに違う何か"を僕達は皆彼から各々ひしひしと、そして脈々と受け取り続けているのでしょう。

フォークスタイルやバンドサウンドに左右されることなく一貫して放たれ続けてきた彼の本質の部分は、いつの時代も僕達凡人の少し先にいて、後から「あぁそうだったのか、受けとるべきものはスタイルではなく、それだったのか」と気付かされるばかり。
振り返っても、一度も彼に追いついて同化した気持ちになれたこともないくらい常に僕達の少し先にいるのがボブ・ディランなのかな、とも思います。

彼は唄の中で、文学にも負けないほどの深い感覚を僕達に伝えてくれます。
政治的行動を直接的に起こすのではなく、彼のメッセージは常にステージの上から、そして唄の中から激しい雨のように降りそそいでくるのです。
歌い終えれば黙して語らず。
その彼の圧倒的な「歌手」としての佇まいと哲学は、今もそしてこの先もずっと、僕達音楽家の永遠の誉れであり、目標なのだと思ってやみません。

今回の受賞で、芸術の表現に、文学や音楽、エンターテイメントの垣根など元々ないのだと、更なるテーマを僕達に与えてくれたこと。
考える機会をくれたこと。
全てに敬意と感謝の気持ちをもって、ありがとう!と伝えたい気持ちでいっぱいです。

おめでとう!
ありがとう!

中川五郎フォーク歌手、翻訳家

1960年代半ば、ぼくがまだ中学生から高校生になる頃、アメリカのフォーク・ソングに夢中になり、なかでもウディ・ガスリーやピート・シーガー、ボブ・ディランの存在や歌に強い関心を抱き、その影響を受けてギターを抱え、英語の歌を日本語に訳して歌ったり、自分で歌を作ったりして歌い始めました。それからすでに50年以上、途中しばらくは歌うことから離れていた時期もありましたが、その時もアメリカのフォーク・ソングにつながる音楽の文章を書いたり、さまざまなミュージシャンの歌詞を日本語に訳したりし続けていました。つまりぼくの一回かぎりのこの人生はボブ・ディランなしでは語れないし、ボブ・ディランと出会ったことで今のぼくの生き方が決まったと言えます。ぼくにとってボブ・ディランはそれほどに大きな存在。その人なしに自分の人生は語れません。だから彼がどんな賞を取ろうとも、どこかからどんな名誉を授けられようとも、そんなことはどうでもいいことのようにぼくには思えます。

好きな曲・アルバムボブ・ディランは今も新しい作品を作り続け、先へ先へと進み続けているバリバリ現役のミュージシャン。だからいちばん好きな彼の作品は、いつでも最新のもの。アルバムで言えば『テンペスト』(『Tempest』2012)、その中の曲では、アルバムの最後に入っている「ロール・オン・ジョン」(「Roll On John」2012)です。

永瀬正敏役者

「1988年テネシー州メンフィスで初めてボブ・ディラン氏のライブを見ました、映画監督ジム・ジャームッシュ氏に誘ってもらって。
シンプルなステージング、MC無しで次々と奏でられる曲、ただただ圧倒!その日からいまだにそのライブが忘れられません。
“本物”はやはり永遠に記憶から消えないんだな、と。」

好きな曲「時代は変る」(「The Times They Are A-Changin'」1964)

ピーター・バラカンブロードキャスター

12歳に聞きはじめたボブ・ディランからまず正義感を学びました。世界の見方はそれでかなり変わったと思います。21世紀の今こそ正義感が不可欠で、年齢を問わず彼の音楽を皆に紹介したい。

出会いのアルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』 (『The Freewheelin' Bob Dylan』1963)

みうらじゅんイラストレーターなど

あぁ、何てカッコイイんだ! ディランがロック。ベスト盤はあくまで入り口だから、もっとディランを掘って掘ってほりまくれ!

三浦久フォークシンガー、翻訳家

大きな謎。公案。白隠の「隻手音声」、趙州の「無字」。答えはどこにもなく、またいたるところにある。つまり、風に舞っている。
One big enigma. A koan like Hakuin's One Hand Clapping and Joshu's Mu. The answer is nowhere to be found yet it is everywhere. It is blowin' in the wind.

好きな曲好きな歌が多すぎて一つにしぼるのは難しい。
いつもの朝に(「One Too Many Mornings」1964)
明日は遠く(「Tomorrow Is a Long Time」1971)
デス・イズ・ノット・ジ・エンド(「Death Is Not the End」1988)

湯浅学音楽評論家/湯浅湾

初めて聴いたとき、世の中を疑え、言われていると思った。だからずっとその歌を信じている。
わからないから、考えるし思いを寄せる。
ボブ・ディラン、とその名前を称えるだけで昨日より少し幸せになれます。

好きな曲曲「ライク・ア・ローリング・ストーン」(「Like A Rolling Stone」1965)

湯川れい子音楽評論・作詞家

「風に吹かれて」から53年間。さほど熱心でもなく聴き続けてきて、やっと解りかけてきたようです。天才です。凄い人です。音楽は愛。ボブもラブソングに行き着くようです。

好きなアルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』 (『The Freewheelin' Bob Dylan』1963)

YO-KINGミュージシャン

安心をくれる先輩

好きなアルバム『ジョン・ウェズリー・ハーディング』(『John Wesley Harding』1967)

ロバート キャンベル日本文学研究者

13歳の頃、グレニッチ・ヴィレッジをやっと一人で歩けるようになった日にディランがニューヨークで初めて演奏した店を見つけたのをよく憶えている。入れないけど、雰囲気だけでもとずっと突っ立っていた。
ディランの声と言葉で大人になった気がする。

好きな曲「天国への扉」(「Knockin' on Heaven's Door」1973)
「ブルーにこんがらがって」(「Tangled Up In Blue」1975)
「戦争の親玉」(「Masters Of War」1963)

真島昌利
(ザ・クロマニヨンズ/ましまろ)
ロックンローラー

生ギタ—1本でも世界を吹っ飛ばす
ロックンロ—ルができる事を、
僕に教えてくれた人。

好きな曲今日は
『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』 (『The Freewheelin' Bob Dylan』1963)

渡辺大知
(黒猫チェルシー)
ミュージシャン、俳優

ボブ・ディランには、時代と自分を見つめる視線の持ち方、変わっていくことを恐れない強さを学んだ。素晴らしい詩、人間性溢れる声にずっとやられっぱなしです。

好きなアルバム『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』(『Bringing It All Back Home』1965)
一番聴いたアルバム。最後の「ベイビーブルー」はアルバムが終わってしまう寂しさで素直に聴けない。

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