<生誕75周年記念>

2015年『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』以来1年ぶり、通算37作目のニュー・アルバム


Bob Dylan

New Album

『フォールン・エンジェルズ』

ボブ・ディラン

フォールン・エンジェルズ
解説:菅野ヘッケル、萩原健太
歌詞対訳:中川五郎
品番:SICP-4784
価格:¥2,400+税
ご購入はこちらから
Sony Music Shop
--収録曲について--
1.ヤング・アット・ハート/Young At Heart
ビング・クロスビーが最初に歌ったが、フランク・シナトラは1953年に歌い大ヒットを記録。同じタイトルで1954年に映画化され、ドリス・デイと共に主役を演じる。
2.メイビー・ユール・ビー・ゼア/Maybe You’ll Be There
ゴードン・ジェンキンスのヒットで知られ、数多くのカバーが存在する。シナトラは1957年の初のステレオ・アルバム『Where Are You』に収録した。
3.ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス/Polka Dots And Moonbeams
トミー・ドーシー楽団におけるフランク・シナトラの最初のヒット。
4.オール・ザ・ウェイ/All The Way
1957年、シナトラが映画『抱擁(The Joker Is Wild)』の中で歌いシングルも発売。近年、セリーヌ・ディオンがスクリーン上のシナトラとこの曲をデュエットして話題に。
5.スカイラーク/Skylark
数多くのカバーが存在するジョニー・マーサーとホーギー・カーマイケルによるスタンダード曲だが不思議な事にシナトラは録音していない。
6.ネヴァザレス/Nevertheless
ミルス・ブラザーズが1950年にヒットさせて広く知られるようになったこの曲を、シナトラも同年に発表している。
7.オール・オア・ナッシング・アット・オール/All Or Nothing At All
1939年にシナトラはハリー・ジェームス楽団と録音、その後も度々この曲を録音している。ディランは2015年のツアーで何度も歌った。
8.オン・ア・リトル・ストリート・イン・シンガポール/On A Little Street In Singapore
無名だったフランク・シナトラを見出したハリー・ジェームス楽団が、彼のヴォーカルをフューチャーして1939年に録音した。
9.イット・ハド・トゥ・ビー・ユー/It Had To Be You
1924年に多くの録音が行われたが、後によく映画で使われたポピュラーソング。映画『恋人たちの予感』 でハリー・コニックjr.のヴァージョンがテーマとして使われた。
10.メランコリー・ムード/Melancholy Mood
1939年にシナトラがハリー・ジェームス楽団と録音した彼にとってのファースト・シングル。
11.ザット・オールド・ブラック・マジック/That Old Black Magic
1942年にグレン・ミラー楽団がヒットさせた曲で、シナトラは1954年と61年に録音した。
12.カム・レイン・オア・カム・シャイン/Come Rain Or Come Shine
1946年、サイ・オリヴァーとトミー・ドーシー楽団が録音したものがオリジナルだが、シナトラは1962年のアルバム『シナトラ&ストリングス』に収録。ディランは2015年のツアーでお披露目している。

すべて一発録り。カヴァーされすぎて本質が埋もれてしまった曲たち。本質を墓場から掘り起こして、陽の光を当てたのさ。

このアルバムを作ることは本当に名誉なことだった。

こういうものをずっとやりたいと思っていたが、30人編成向けの複雑なアレンジを5人編成のバンド用に精製する勇気を持つことがなかなかできなかった。

今作の演奏はすべてそれが鍵になっている。

私たちはこれらの曲をこれ以上ないくらい熟知していた。すべて一発録り(ライヴ)で録音した。

すべて1回か2回のテイクで撮り終えた。オーバーダブもしなかった。

ヴォーカル・ブースもヘッドホンも使わなかった。トラックを分けた録音もしなかった。

そして何よりも、録音された時と同じように、そのままミキシングを行なった。

私はこれらの曲はどう見てもカヴァーとは思っていない。

もう十分カヴァーされてきた曲ばかりだから。

実際カヴァーされすぎて本質が埋もれてしまっている。

私とバンドがやっていることは、基本的にその覆い(カヴァー)を外す作業だ。

本質を埋められた墓場から掘り起こして、陽の光を当てたのさ。

BOB DYLAN 2015

甘美に、優美に綴られることが多いこれらスタンダード・ナンバーからまったく違う、重く、ダークで、時に官能的だったり、時に悲痛だったりする物語を生み出してしまう。~萩原健太解説より

『フォールン・エンジェルズ』には、音楽界屈指の名声と影響力を持つソングライターたちによって書かれたアメリカの往年の名曲を12曲収録。ディランはこのアルバムで、ヴォーカリスト、アレンジャー、バンド・リーダーとしてのユニークなすばらしい才能を披露する。ジャック・フロスト(ディランの別名)がプロデュースを手がけたアルバムはボブ・ディランにとって37枚目のスタジオ作品となり、2015年1月に発売された『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』に続く新作となる。

アルバム収録曲の「メランコリー・ムード」は日本では来日記念盤として4曲入りEPとして限定7インチ・アナログと通常盤CDでリリース。限定2500枚のアナログ盤は発売とともに即完売となった。

『フォールン・エンジェルズ』の制作にあたり、ディランはジョニー・マーサー、ハロルド・アーレン、サミー・カーン、キャロリン・リーといった幅広いソングライター陣の作品から曲を選び、ツアー・バンドのメンバーを中心に録音に臨んだ。アルバムの録音は2015年、ハリウッドのキャピトル・スタジオで行われた。ディランがアメリカの往年の名曲を歌った前回のアルバムは2015年の『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』。同作は17ヶ国でトップ10入りを果たし、アメリカでは7位を記録。イギリス、アイルランド、スウェーデン、ノルウェーでは初登場1位となった。『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』は世界的に高く評価された。